Description

 取材日:2019年6月9日
 道央道→札樽道→後志道

 札幌と積丹を訪れた3日間のドライブ旅。6月の道内は最高だ!

Report / Section.1
9小樽JCT

 左へ:[E5A 後志道] 余市 倶知安
 本線:[E5A 札樽道] 朝里 小樽

 小樽JCTは、市街を遠望する高台に新たに設置されたジャンクションである。本線を直進すると下り勾配の後朝里IC/本線料金所へ至る。

札樽自動車道 区間4
銭函IC → 小樽JCT
9小樽JCT

 札樽道と後志道の分岐。ここを左へ入ると2018年に開通した後志自動車道となる。

 2020年6月現在、小樽JCTは後志道と札樽道札幌方面のみのハーフJCTとなっている。小樽市から余市方面に抜けるには小樽塩谷ICから後志道に入るか、従来どおりR5を抜けるのが最短であり、これは朝里地区や道道を介して接続する定山渓方面にも同じことが言える。

 本線同然の広いランプへ入る。

 後志道→札樽道のランプは正面に日本海を見ることができて非常に景観が良い。

 緩やかなカーブを経て本線へ向かう。

 後志道本線に入る。キロポストは撮影地点より少し先が「0」である。

 正面には山と、その山腹にトンネルの坑口が見えるが、実は道路の右手には住宅地が広がっている。

 トンネル情報表示。これと言ったトラブルも特に無い。

 [ 12 ]小樽塩谷13km
 [ 13 ]余市21km
 倶知安65km

 後志道に入って最初の距離表示。小樽塩谷ICまでは若干長めにIC間距離があいている。

 新光トンネル 長さ460m

 最初のトンネル、新光トンネルは長さ控えめのトンネル。ほぼ直線で上り勾配が続く。

 新光と聞くと札樽道の「新光バスストップ」をイメージする方もいると思うが、直線距離でいうと1km少ししか離れていなかったりする。

 新光トンネルを抜けると、朝里川・r1小樽定山渓線を跨ぐ大きな橋梁に入る。

 透明な壁が設置されているこの辺りで道道の真上を通っているのだろうか。この辺りで左側を見渡すと、朝里ダムとその手前にループ橋を眺めることができる。

 天神第二トンネル 長さ2870m

 朝里地区から天神地区へ抜ける長大トンネル。このトンネルで望洋台地区をパスしR393毛無峠山腹の直下を通る。

 R393は2008年に全線開通した国道で、小樽市と倶知安町を結んでいる。道中の毛無峠(標高658m)は急勾配と急カーブが連続するポイントで、冬は大雪に見舞われることが多くやや使いにくい国道の1つである。

 天神第二トンネル内にはアクセントライトが用いられているが、非常にあっさりしたものである。

 天神第一トンネル 長さ520m

 スノーシェルターを介してお次は天神第一トンネルに入る。

 入口にシェルターが採用されているのは毛無峠同様、小樽市街の背後にある山間部を通っていて雪が多いのだろう。

 小樽市中心部の平均降雪量は676cm/シーズンで、札幌より80cm程度多く、余市より250cmほど少なかったりする(天神だと小樽市街よりは多そう)。なお、道内でも豪雪地として知られる倶知安は1062cmにも上る。

 天神第一トンネルを抜けるとしばらく明かり区間が続く。道路脇の植栽がまだ若々しい。

 ここで勝納川とr697天神南小樽停車場線とを跨ぐ橋梁に出る。

 道道は後志道開通以前に撮影しているので後述のリンクからレポートを御覧いただける。後志道の直下は住宅街が広がっている。

 Link:
 北海道道697号
 天神南小樽停車場線

 山側を眺めると、遠方まで続く緩やかな山並みの手前に住宅が建っているのが見える。のどかな景色だなぁ…。

 橋梁を渡り終えるとまたもトンネル情報。

 天狗山トンネル 長さ2980m

 ここで2本目の長大トンネル、天狗山トンネルに入る。

 名前の通り小樽市街の近くにそびえる「天狗山」の直下を通っている。

 トンネル内は緩やかにカーブしている。ここでは青いアクセントライトが設置されている。

 天狗山は標高532mの山で、小樽市のシンボルとして知られる。急斜面の多い山で、山頂から直近の市街地までは約1km程度しか離れておらず、通年営業する展望台(標高470m)と山麓(標高200m)を結ぶロープウェイの長さは約750mしかない。天狗山の斜面はスキー場として利用されており、真正面に日本海を眺める絶景がウリだがコース構成はその多くが中級者向きのコースであり、初心者が気軽に山頂から滑れる場所ではないことに注意したい。

 天狗山トンネルを抜けると小樽塩谷ICまで下り勾配となる。

 追越車線 1.5km先

 車間確認。下り勾配なので詰めすぎないよう気をつけよう。

 [ 12 ] 小樽塩谷 2km

 小樽塩谷ICまで2km。建設当時の仮称は「小樽西IC」であったが、しれっと「小樽塩谷IC」に正式決定した。2018年初めごろのことだったと記憶している。

 ここから小樽塩谷IC付近にかけて2400mの追越車線。2020年時点で後志道では唯一となる。

 (5) 小樽塩谷 [ 12 ] 出口1km

 小樽塩谷ICまで1km。「塩谷」は小樽市西部の地名で、IC付近は通り沿いに住宅が点在してJRの塩谷駅も存在する地域である。

 すでにお気づきの方もいらっしゃるだろうが、後志道・札樽道のIC番号は同一の系統として付番されている。後志道開通に伴い小樽JCTに「9」が設定され、札樽道朝里ICと小樽ICはそれぞれ「10」「11」に変更された。そして後志道のICは続きの「12」から先が使われている。

 (5) 小樽塩谷 [ 12 ] 出口500m

 小樽塩谷ICはこの先の谷あいの部分に設置されている。

 ICからはr1173小樽塩谷インター線を介してr956小樽環状線に接続し、そこから海に向かって進むとR5に接続する。

 (5) 小樽塩谷 [ 12 ] 出口

 小樽塩谷IC出口が近づく。この辺りは開通後わずか6ヶ月にして結構舗装が荒れてしまっていた記憶がある。

 大きく西に外れた位置にあることから小樽市街へのアクセスは不利だが、塩谷・蘭島といった近隣の海水浴場や、広域農道経由で余市方面へ向かう場合などは有利となる。なお、後志道は小樽市を通過しない交通をカバーできていない点から、開通後のR5の交通量減少は2割程度と大きなシフトが見られていないことに注意したい。

12小樽塩谷IC

 小樽塩谷ICはこちらから。近隣利用がメインとなると海水浴ぐらいしか使わないかも?

 小樽塩谷ICを通過する。ICの形状はトランペット型で、周囲の地形改変も見るにさすがNEXCO管理、お金がかかっているといった印象である。

 [ 12 ]余市7km
 倶知安51km

 距離標識。倶知安までは51kmで、おおよそ1時間圏内といったところ。

 下り坂5km 速度注意

 画面奥には鳥対策で多数のポールが立てられた橋梁が見える。

 緩やかな下り坂が続く。この辺りから道路は海岸線・R5と平行して東西に走るような格好となる。

 小樽忍路トンネル 長さ320m

 緩やかな山間部を通り抜ける小さなトンネル。海岸部の地形が険しいこの地域では、R5での改良工事も繰り返し行われた歴史がある。その結果、R5の方がトンネルが多く、そして長い。

 小樽忍路トンネルを抜けると明かり区間はしばらく続く。

 途中の橋梁は景色が開けており、時折右側に日本海を望むこともできる。なんとなくだけど本州でいうと舞鶴若狭自動車道なんかに似たような雰囲気がある。

 船取山トンネル 長さ140m

 土被りの非常に薄いトンネルだが地すべり対策でこうなったとか。

 蘭島トンネル 長さ910m

 蘭島は周辺地域の地名。夏場は海水浴客で賑わう地域である。

 蘭島トンネルを抜けるとやや短い明かり区間。海岸線は遠ざかっておりここから眺めるのはむずかしいだろう。

 料金所 1.3km
 [ 13 ] 余市 2km

 ここで余市ICまで2kmの予告標識。防風柵で隠れるのでもうちょっと見やすい位置に置いてくれないか…。

 余市小樽トンネル 長さ300m

 2020年現在後志道最後のトンネル。名前の通り余市町と小樽市の境界に位置する。

 貫通時点ではフゴッペトンネルという名前であったが、開通前に変更され現在の名称となった。並走するR5にも現役で同名のトンネルがあるためだろうか。

 余市小樽トンネルを抜けると余市町に入る。

 カントリーサインのモチーフは「奇岩とウイスキー工場」。全車は古平町との境に近い海上に、後者は市街地にあることから両者を同時に眺めることは出来ない。

 料金所 500m 速度落せ

 (5)(229) 余市 [ 13 ] 出口1km

 余市ICまで1kmの予告標識。接続国道にはR5とR229の表記が存在する。

 500m手前標識を過ぎると、余市本線料金所が存在する。

 ここでは入口に応じた料金を精算する。ルールとしては朝里本線料金所などと同様だろう。

 なお、本線料金所形式を取っているのは余市から先が新直轄方式で建設され、開通後は無料となるためである。管理者も北海道開発局となるのだろう。

 終点 500m先

 (5)(229) 余市 [ 13 ] 出口

 新直轄方式との境界にあるためか、「終点」標識ではなく開通当初から完成形の案内標識が設置されている。

 余市ICではr753登余市停車場線に接続する。ICから2.5kmほど西へ走るとR5と合流し、一旦小樽方面に折り返した後R229に入れば古平・積丹方面へアクセスできる。一方、仁木・倶知安方面へはR5を走るか、IC出口でr753を選んだ後農道を経由して仁木町の郊外でR5に出るというルート選択も可能だ。

13余市IC

 本線部分からランプ部分へ抜けて後志道のトレースは一通り完了となる。

 ここまでの道のりで「古平」や「積丹」の表記は見られなかったが、倶知安方面へ延伸後も基本的には余市ICが最寄りである。いずれ増設されるのだろうか?

 左折:r753 倶知安 赤井川
 直進:r753 R5方面 余市市街
 右折:R5方面 積丹。

 出口交差点の案内標識。右折してから積丹方面へ向かうと余市駅周辺をパスするルートとなるが直進してR5まで向かった場合と大差はない。倶知安方面へはr753に出た後農道のフルーツ街道を走るのが近く、r753を走り続けると赤井川方面へ向かう。

 余市IC交差点。2020年現在、ここが終点となる。

 倶知安方面への延伸は時期未定とされているが、工事はすでに事業化されており少しづつ進んでいるようである。延伸後のICの形状ははっきりしないが、r753または広域農道の別の位置にランプが接続するのではないかと推測される。