2015年6月某日、ひたすら道北を北上していた我々は、道北の数少ない都市の1つ名寄市をスピーディに通過すべく、この名寄バイパスを利用することに。そのうち、第1部では名寄市街をパスする南側の区間を紹介する。

名寄美深道路 レポート
(未開通) →   下り線 区間1   → 下り線 区間2
道央道 士別剣淵IC方面
一般国道40号線
名寄IC 名寄北IC (智恵文南入口) 智恵文IC 美深IC 美深北IC

レポートについて
 取材日:15年6月20日
 全線走行。

 この日は新千歳空港→岩見沢→旭川→名寄→問寒別→天塩とひたすら北を目指す道のりであった。
 旭川を出発する時刻から日没時刻までの間が短く、使える高速はなるべく使って時間を稼いだ。もちろん、名寄美深道路もその1つである。

レポート(区間1)
直進:R40/R239 稚内 下川
左折:通行無料 [名寄美深道路] 稚内・美深方面


 名寄美深道路への入口交差点の予告標識。直進すると名寄市中心部に突っ込むが、少し急いでいる我々はここで左に。

 尚、名寄美深道路の英語表記は Nayoro Bifuka Road である。相変わらず安直・・・
稚内 175km
音威子府 54km
美深 23km


 交差点を左折してから暫くは見ての通り自動車専用ではない一般道(国道40号)である。

 稚内まで175km、これでも少しは近くなった。美深まで23kmとあるが、名寄美深道路-美深IC経由の距離と考えられる(名寄美深道路の全長に近いが、美深IC-美深中心部が若干遠回りさせられる)。ちなみに旭川からは約75kmとなる。
 [名寄美深道路] 稚内・美深方面
 200m先右折
 [名寄美深道路] 稚内・美深方面  

 名寄バイパスはこの先の交差点を右折。しかし逆光で眩しい。
 名寄バイパス入口

 画面の奥、所在なさげに「稚内 美深」と書かれた方面標識がある。ちなみにここを直進すると、日本有数のもち米地帯が広がるので、興味のある方はあえて直進するのも一興。
 名寄IC

 周りが草ぼうぼうだが、この位置から自動車専用区間となる(封鎖用のゲートもある)。この先名寄美深道路は、他の自動車専用道路と同じく125cc未満の二輪車、自転車、歩行者などなどは進入できない。
 災害時に活躍しそうな表示板だ。
 ランプに相当する部分が続く。この道路が道央道士別剣淵IC方面と接続した場合、画面奥の街灯があるあたりで本線と合流するのだろう。

 平成26年の再評価資料では、道央道士別剣淵-多寄を「緊急に整備すべき区間」とし、平成27年度中の完成を目指して整備中、多寄-名寄は「当面着工しない区間」としつつも、事業は継続とのこと。
 この先 対面通行

 ちょうど本線に相当する部分が始まるところで1キロポストが設置されている。
 名寄美深道路の起点としては先ほど右折した交差点、またはちょうどこの画像の撮影位置あたりが設計上の起点となりそうだが、Google地図で距離を調べた感じ、R40本線(最初に撮影した交差点)が0KPに相当しそうだ。

 ちなみに士別剣淵-名寄はかつて「抜本的見直し区間」として一時期事業凍結された。それがなければ2015年の現在にはとっくにつながっていたのかもしれない。
 対面通行区間開始!
[ ] 名寄北3km
 美深19km
 稚内171km

 ここでお決まりの距離標識。2段目の「美深」は美深ICではなく美深市街への距離を示している。1997年開通当初は名寄北ICが終点、その後智恵文南、智恵文と終点が延伸しつつも美深まで到達したのが2010年という歴史的経緯から標識を変更しなかったのか、あるいは美深ICへの距離を表記するよりも美深市街の方が実用性があるからか。
 追越車線 2km先

 ちょうど名寄北ICの手前辺りである。
 北のかけ橋にて天塩川を渡る。

 ちなみに「北のかけ橋」の英語表記は「Kitanokake Bridge」である。よって、「北のかけ橋」と一気に読むのではなく「北のかけ-橋」と区切って発音するのが正しい。

 というのはジョークで、実際は「架け橋」を連想して一気に読む方が正しいのだろう。どうでもいいが、天塩川本流を渡るのはこの日4回目である。
 [  ] 名寄北 2km

 天塩川を渡ったところで、程なくして名寄北ICの予告標識。
 曙2号橋なる橋。下を通るのは無名の用水路と農道だ。道路右側は天塩川堤防が近いが、左側にはもち米地帯が広がる。

 「稲作」でなく「もち米」と言い切れる理由は、「もち米団地」の存在にある。品種の異なるもち米とうるち米が交雑し、質が低下するのを防ぐためもち米の作付地とうるち米のそれは距離を置いて区別している場合が多い。更に、名寄は旭川より寒冷でうるち米の作付にあまり適していないという事情も「日本有数のもち米産地」化をもたらした原因の1つとなっている。
 R40 R239
 名寄北 下川
 [  ] 出口 1km

 名寄北ICの1キロ予告標識。ついでに、追越車線が追加される。

 しかし、こんなに気持ちのいい土日なのに追越車線の利用が不要なほどガラッガラである。
 R40 R239
 名寄北 下川
 [  ] 出口 500m

 しかし、道路幅が広く走りやすい。
 R40 R239
 名寄北 下川
 [  ] 出口

 名寄北IC出口。R40に直接接続。名前通り、名寄市街地の北端にすぐ近い位置に存在する。

 「下川」表記は本来的には不要である。というのも、R239は下川に向かう途中で南に下がっていくので、北から回りこむのは遠回りである。士別方面から来た場合は名寄市街を通行しショートカットするのが下川へのアクセスは有利で、名寄美深道路に入る前でも下川へ向かう際は市街地に入るよう標識の記述があった。
 名寄北IC橋で反対車線に通じる合流路を跨ぐ。R40一般道自体は右側だが、インターチェンジの構造自体は左側にある。

 名寄北ICは管理施設の1つ、名寄北管理ステーションを伴う(1つ上の写真に建屋とアンテナが写っている)。市街地に近いという性質上トイレなどの施設開放はしていない。
 ここで名寄北ICでの流入車両と合流。
 インターチェンジを少し過ぎたあたりで、追越車線が終了する。
[ ] 智恵文9km
 美深14km
 稚内166km

 名寄北ICを通過し、暫く丘陵地帯のような場所を通り抜ける。
 サンフラワー橋。ここで国道40号一般道を跨ぐ。
 恒例の車間確認。

 前方に見える車両とは100m以上離れており問題ない。しかしこの車間確認、路面上に何も印がないのでわかりにくい。
 智恵文地区と名寄市街を分かつ丘陵地帯ではこの道は切り通しとなる。高速道路らしく、立派な跨道橋がいくつかあるが、この上の道路は交通量の無さそうな農道だ。
 上り勾配の途中に「除雪車待避所」がある。
 勾配が下りになった。遠くまで道路が見渡せて気持ちいい。
 再び道路は平地へ。共和橋にて農道を跨ぐ。
 智恵文橋にて智恵文川を渡る。
 智恵文南入口

 ここで、名寄IC方向のみの入口、智恵文南入口を通過する。

 名寄北ICから智恵文ICに延伸する途中経過として、智恵文南出入口としてここがバイパスの終点だった時代が少し(2003-2006年)あった。終点時代は当然、美深方面に向かう車線からの出口を伴っていたが、現在では入口が残るのみとなった。
 智恵文南こ道橋にて国道40号一般道を再度跨ぐ。

 智恵文南出入口のように、仮出入口を設置して供用区間を迅速に伸ばしていく手法は旭川紋別道でも2000年代中頃に積極的に行われていた。
 智恵文南入口から智恵文ICは意外と距離がある。
 [  ] 智恵文 2km

 今更だが、智恵文は「ちえぶん」と読む。
 
 R40 美深市街
 智恵文
 [  ] 出口 1Km

 智恵文ICの1km予告標識。

 そういえば、名寄美深道路は全線が完成しているにも関わらず未だにインターチェンジ番号が振られていない。同じ北海道縦貫道のA'路線である函館新道や豊富/幌富バイパスではインターチェンジ番号が既に振られていることを考えると、若干気になる。
 R40 美深市街
 智恵文
 [  ] 出口 500m

 また、案内標識に「美深市街」と小さく書かれている。実は距離的には智恵文ICで降りて国道40号を北上するほうが若干近いのだが、あちらは交通量が少ないとはいえ一般道なので、どちらを選択するかは好みの問題だろう。

 名寄美深道路のインターチェンジ番号が無いということはやはり名寄ICでの道央道接続の可能性があるということなのか・・・?
 R40 美深市街
 智恵文
 [  ] 出口 

 智恵文IC出口。先述の通り、美深市街へはこちらが最短距離。

 智恵文ICは名寄方面のみ利用可能なハーフインターで、名寄インターから16.6km、美深市街まで5km。国道40号一般道に直接接続する。

 レポート区間1はここまで。
名寄美深道路 レポート
(未開通) →   下り線 区間1   → 下り線 区間2
道央道 士別剣淵IC方面
一般国道40号線
名寄IC 名寄北IC (智恵文南入口) 智恵文IC 美深IC 美深北IC

関連ページ
 道央自動車道
 北海道を南北に結ぶ自動車交通の主要経路であり、将来的には名寄美深道路と一体化するはずの道路。北側の終点は2015年現在士別剣淵ICであり、近々多寄ICまで延伸される予定。


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 最終更新:15年9月3日