国道40号と並走するこの道道、第1部では中川町中心部までやってきたので第2部はその続き。当サイト史上初となる宗谷管内に入るべく、引き続き北上する。
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 北海道道541号問寒別佐久停車場線 第1部 [終点(JR佐久駅前)→ 中川町中川(r438交点)]
 佐久駅前を出発した我々は、国道40号線とは違う「裏道」を北上し、中川町中心部へ。

 北海道道541号問寒別佐久停車場線 第2部 [中川町中川(r438交点)→ 起点(r583交点)]
 中川町中心部のメインストリートを通りぬけ、酪農地帯としての道北に突入する。起点のある問寒別はもう宗谷管内だ。

Report 2/2
 r438天塩中川停車場線との交点。ここで右折するとすぐに天塩中川駅の駅前に到着する。
 左折:r438 国道40号
 直進:r541 問寒別

 中川町中心部を通過するが、r438と重複しているので解説はそちらに譲る。今回は直進だ。
 直進するとやや道が汚くなるが、引き続き市街地が続く。
 この白樺並木の両側はそれぞれ高校(左サイド)と小学校(右サイド)の敷地になっていた。小学校はこの町唯一の小学校が現役であるが、左サイドの高校(中川商業高校)は1950年に名寄農業高校の分校として開校、1969年から中川商業高校と名前と学科を変え、後に町唯一の道立の高校となるも、少子化による高校再編の末、2013年に閉校した。

 2015年現在、高校の旧校舎は生涯学習センターというありきたりな名前で利用されている。
 高校を通過して暫く走ると市街地が途切れる。ここから問寒別市街まで、学校や郵便局などといった施設のある集落は一つも存在しない。

 中川町に一番近い高校は音威子府にある「おといねっぷ美術工芸高校」という工芸科の高校、普通科高校なら美深にある美深高校となる。
 これまで通り何もない道に変わる。
 菅の沢川を渡る橋梁に、r541の縦型の県道標識が設置されていた。
 うーむ。暇だ。

 この辺りでは天塩川と結構近いはずなのだが、左側の藪が深く川は見えない。
 パンケナイ川を渡る。ここで左側を見ると、天塩川が見えるかもしれない。
 日が傾いてきた。
 ここで「さけますセンター」に繋がる道が右から分岐する。さけ・ますの個体群維持を目的とした孵化放流を行う施設である。

 ここを右折するとすぐにJR宗谷本線の踏切があるが、その脇には下中川駅という駅が存在していた。琴平と同じように仮乗降場出身の駅であったが、利用者皆無のため2001年廃駅。現在は跡形も無い。

 2001年廃駅とあって下中川の現役時の画像はインターネットにかなり残っている。板張りの朝礼台のような駅である。
 どんどん走ろう。
 冬の地吹雪がひどいのか、ここも例の防風柵が設置されている。
 藪と雑木林の中を走る。コメントすること無いなぁ。
 左折:国道40号方面
 直進:r541 中頓別 問寒別
 右折:歌内駅

 突如案内標識が現れ、歌内地区へ入る。交差点を左に曲がると数軒の民家があった後、歌内橋にて天塩川を渡り、国道40号へ至る。右へ曲がると数十メートルの砂利道の先に無人駅である歌内駅が見える。

 左側の集落も航空写真で見ると家屋が消滅したような跡地が何軒(分)もある。歌内駅の利用者は既に1桁と考えられる。JR北海道の方針次第では近いうちに廃駅になる可能性がある。
 交差点の様子。交差点の手前に1軒の住宅、右に曲がると駅。右側にもかつては建物があったが、今はもはや藪に帰っている。
 なお、歌内駅から先は牧草地になっている土地が一気に増える。この位置でも左側を眺めると牧草地が広がっている。
 JR宗谷本線との踏切。

 踏切の奥の木陰に鳥居が見える。航空写真で見る限りその奥にはきちんとお社が存在するようだが、人の手が入っているかどうかは定かではない。
 踏切後の風景はこれまでの殺風景な藪から一転、一気に牧歌的になる。

 電線の無い草原とサイロ跡が素敵だ。
 丘を下る風景に人家はほとんど写っていない。しかし、中川町から藪の中を走り続けた我々にとって、これで十分開けた人為的な風景に見えた。
 問寒別方面はここで右へ曲がる。
 再び道路は登りに転じるが、その途中で宇戸内(うとない)川を渡る。

 勘の鋭い人なら気付くかもしれないが、先ほどの歌内駅の由来はこの宇戸内川にある。もともと宇戸内と呼ばれていた地名が、いつしか歌内に転じたという。
 先ほどの橋から1kmもいかないうちに幌延町に入る。幌延町は上川ではなく宗谷総合振興局の管内となる。「蒼の街道」が宗谷管内に入り込むのはここが初めてである。

 カントリーサインはハマナスとエゾカンゾウが咲き、残雪残る利尻富士が見えるサロベツ原野(これは初夏の光景)になぜか冬毛のトナカイ(それも目の間隔が実物より狭い)という季節感のないデザインである。サロベツ原野は説明するまでもないが、トナカイは幌延町郊外にあるトナカイ牧場がその由来となっている。
 道路は下り坂に転じる。
 問寒別側に下りると、周囲には牧草地が広がる。ちなみに、グーグルで確認する限りこの地点から道道の起点(問寒別)に至るまで民家は1軒のみである。
 写真の映りが悪い&似たような景色が続くため端折っていこう。

 道道541号起点

 左折:r583 問寒別駅 国道40号方面
 右折:r583 中頓別 幌延市街

 最後に2回小さいカーブの後、奥にある交差点でr583上問寒別問寒別停車場線と交わり、r541の起点となる。

 案内標識には幌延市街は右折しろと書いてある(恐らくr645を経由する丘陵ルートだろう)が、どう考えても一旦国道40号に出たほうが早い。

 r541のレポートは終わり。お疲れ様でした。
Impressions
 この道道の沿線を眺めていて思ったのは、中川町の人口約1700人(2015.7現在)の過半数はr541の沿線に住んでいるということである。

 中川町のうち天塩川右岸エリアを縦貫する唯一の道道である(横断する道路は無い)こと、佐久や中川といった大きな集落が右岸にあることを考えると当然っちゃ当然なのだが、国道40号線側は人口の集中するルートではないのである。

 だからなんだと言われても特に返す文句が思いつかないが、そうした町の人口の大半を抱える路線を走りながらも沿線の多くは藪と雑木林であり、「哀愁漂う道北」の雰囲気をより強く感じる路線であった。

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 北海道道541号問寒別佐久停車場線 第1部 [終点(JR佐久駅前)→ 中川町中川(r438交点)]
 佐久駅前を出発した我々は、国道40号線とは違う「裏道」を北上し、中川町中心部へ。

 北海道道438号天塩中川停車場線
 中川町の玄関、天塩中川駅から町中心部を通り、天塩川の対岸にある国道40号へ向かう。
 こちらのレポートでは、駅舎リニューアル前後の写真も紹介している。

 北海道道395号問寒別停車場下国府線
 r541の起点に程近いところに、小さな無人駅問寒別駅がある。我々が問寒別駅を訪問した後に再び国道40号に戻るべく経由した道道がこの路線である。
 問寒別駅についてはこちらのレポートで紹介する。


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最終更新日:15年9月26日