東名高速道路下り線、区間4。
 富士山がだんだん近づく大井松田。日本の高速道路史上初となる「同一方向複数ルート」区間が始まる。

東名高速道路 レポート
下り線 区間3 →   下り線 区間4 / 区間5   → 新東名下り線 区間1
下り線 区間6
4-1 海老名JCT 5 厚木 5-1 秦野中井 6 大井松田 鮎沢PA 7 御殿場 7-1 御殿場JCT 7-2 裾野 8 沼津

レポートについて
 取材日:15年4月18日
 東京ICから御殿場JCT。

 この日は東京IC→御殿場JCT→新東名島田金谷ICまで移動。
 というわけで東名の方はあんまり走れていない。そのうち撮りたいんだけどなぁ・・・

レポート(区間4)
 (246)(255)
 大井松田 小田原
 [ 6 ] 出口


 ルート分岐に程近い大井松田ICから区間4をスタートする。
 標高119m

 木々に隠れている&見切れてしまったが、この地点の標高が表示された大きな標識。そして、車道上にはルート分岐を示す標識が。今回、特に理由があったわけではないが左ルートを選択する。
 左ルート 静岡 御殿場
 右ルート 静岡 御殿場


 先ほどの標識からしばらく走ると下り線はこのように広々としてくる。真ん中の車線が2車線に分かれる形で左右ルートに分岐し、左ルートには更に左から大井松田ICからのランプが合流する。
 ルート分岐後、前方には富士山が見える。いい景色だ。

 大井松田IC-足柄PAにかけての東名高速道路は、上り線と下り線の間でルートも車線数も違っているという楽しい構造をしている。この理由は車線数を増やす方法として、単純な拡幅ではなく現上り線を新たに建設し旧上下線を現下り線に転用するといった方法を選んだためである。
[ 7 ]御殿場25km
[7-1]御殿場JCT.30km
静岡103km

 富士山をバックに2本の距離標識がこっちを向く不思議な景色。
 60KP

 たまたま撮影出来たがその代わり奥にある松田BSの案内標識は撮り損ねた。

 ここで下り線左右ルート化について簡単に述べておく。大井松田から御殿場にかけての東名高速道路は元々2+2=4車線であったが、この区間を先頭とする渋滞が頻発するボトルネックでもあった。300m以上の高低差(平均勾配1%以上)、R=500程度のカーブが続き高速道路としては線形の悪いことに加え、東京と静岡以西を結ぶ交通が集中するという東名らしい理由が挙げられる。
 鮎沢PA 11km
 足柄SA 20km

 SA/PAに関する距離標識。なお、右ルートは鮎沢PAが利用できないため、次のSA/PAは足柄となる。
 所要時間表示。ついに静岡が登場した。

 撮影当時の表示は御殿場まで20分、沼津まで35分、静岡まで80分。だいたい平均速度75km/h程度として計算しているようだ。
 「周回走行された場合は、出口で一般レーンをご利用ください。」

 今度の横断幕は周回走行に関するもの。高速道路網が発達し同一区間を結ぶルートが複数存在するようになった昨今、最短距離の2倍までは同じ料金でよいとされているがそれ以上の遠回りは実際に走行したルートによって料金が決定される、という規約がある。
 左右ルートの情報掲示板。特に何も無い。
 ハイウェイラジオ ここから

 ここまで来ると道路的にはよくある高速道路の山岳区間なのだが、色々な標識・掲示物の数がかなり多い。大井松田-御殿場IC-御殿場JCTという本来なら1部でまとまりそうな区間を2部構成に分けざるを得なかったのはこうした状況のせいだったりする。
 山北BS

 これも左ルートだけの施設。
 バス停の周りは思いっきり山・・・に見えるが、この辺りの東名高速はR246がすぐ近くに並走している上、山北町の市街地が広がっていたりする。
  道路はぐいっと左にカーブする。

 R=350と高速道路にしては急カーブ。東名高速に限らず古参の高速道路は線形をある程度犠牲にして通している面がある。
 この先2000m トンネル 車間確認
 登坂車線

 ここで左ルートの車線が増える。トンネルの手前まで5%程度の勾配が続くためだが、そこまで左右ルートで片側5車線という日本の道路としてはかなり車線の多い区間となる。
 こういう風景を見ると、急斜面に頑張って建設されたんだなぁ・・・ということがわかる。
 トンネルまではあと1kmくらいだろうか。
 鮎沢PA 5km
 足柄SA 14km
 駒門PA 23km

 R=400の急カーブとともに案内標識。満空表示付き。
 吾妻山トンネル 長さ360m

 大和トンネル以来久々のトンネル。一番山側にある上り線が300m、右ルートは340m、そして左ルートが360mと3本のトンネルでそれぞれ長さが異なる。
 下り線のトンネルはともに開通当初からのものなので内部も古い感じ。
 ここで上り線の橋が下り線をオーバーパスする。足柄SA手前にある東名足柄橋まで両車線はかなり離れるが、「右側通行」状態となる。

 同様の構造は北陸道にも散見される。
 都夫良野トンネル。トンネル標識がない。なぜだ!

 ストリートビューで確認したところ、坑口上部の施設の改装を行ったタイミングで標識が撤去されていたようだ。いずれ復活すると思うけど。

 ちなみに長さは1680mと東名のトンネルとしては日本坂トンネルに次ぐ長さである。
 トンネル内部。このトンネルも古い。
 トンネル内道路の線形は緩やかであるが、御殿場に向けて上り勾配が続く。
 都夫良野トンネルを抜けると、目の前には丹沢の山々と富士山が顔を出す。前方は酒匂川を渡る橋梁で景色が開けている。いい景色だ。
 酒匂川 橋長 725m

 東名酒匂川橋で酒匂(さかわ)川を渡る。曲線連続鋼トラス橋という構造をしており、位置は河内川との合流地点にほど近い。
 高速道路のトラス橋っていいですよね。
 鮎沢PA 1.4km
 足柄SA 11km
 駒門PA 20km

 再び左ルートのSA/PA情報掲示板。鮎沢PAまでの距離はどう見ても14kmに見えるが、拡大するときちんと小数点がある。
 鮎沢PA 1km

 足柄SA 10km

 右ルートは鮎沢PAが利用できない分、駒門PAへの案内標識が付け足されている。
 鮎沢PA

 ここで休憩施設の鮎沢PA。繰り返しになるが、下り線は左ルートのみの設置となる。かつての上り線である右ルートにも施設は存在するが、現在は管理用施設として利用不可能となっている。

 規模は大型48小型114(大型との兼用)とのことで、若干大型の枠が豊富なPAである。コンビニはなく、ショップとフードコートは共に昔ながらの公団→NEXCO運営のようである。

 区間4はここまで!
東名高速道路 レポート
下り線 区間3 →   下り線 区間4 / 区間5   → 新東名下り線 区間1
下り線 区間6
4-1 海老名JCT 5 厚木 5-1 秦野中井 6 大井松田 鮎沢PA 7 御殿場 7-1 御殿場JCT 7-2 裾野 8 沼津

関連ページ
 東名高速道路 下り線 区間3 [海老名JCT → 大井松田IC]
 関東近郊の雰囲気はあるが、周囲は徐々に緑が増す。
   遠方に富士山を望みつつ、神奈川県内を西へ走る。

 東名高速道路 下り線 区間5 [大井松田IC → 御殿場JCT その2]
 東名高速もいよいよ静岡県に入る。左右ルート区間は足柄SAの手前で終わり。
 リゾート地へのアクセスとしても利用される御殿場ICを通過し、新東名が分岐する御殿場JCTまでを紹介する。


 高速道路レポート一覧へ戻る
 蒼の街道トップへ戻る

 最終更新:16年2月18日