北海道道の「ファーストナンバー」、小樽定山渓線。
 朝里峠を越え小樽市に入ると、その先には急カーブと急勾配が待ち構える。
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 北海道道1号小樽定山渓線 第1部 [終点(R230交点)→ r95交点 ]
 札幌の奥座敷、定山渓温泉からトレース開始。
 温泉街をすぐに抜け、定山渓ダムに向かう道すがら、不通区間持ちのr95が分岐する。

 北海道道1号小樽定山渓線 第2部 [r95交点 → さっぽろ湖]
 r95交点を過ぎると山岳区間らしくなってくる。
 札幌の水瓶、「さっぽろ湖」を造る定山渓ダムの上を通り、そこから先は観光色が一層強まる。

 北海道道1号小樽定山渓線 第3部 [さっぽろ湖 → 札幌国際スキー場付近]
 さっぽろ湖に沿って走る快走区間。
 ダム湖道道らしくトンネルと橋梁が連続する楽しい区間だ。

 北海道道1号小樽定山渓線 第4部 [札幌国際スキー場付近 → オタルナイ湖]
 札幌国際スキー場から先は急勾配と急カーブの連続する朝里峠に入る。
 朝里峠トンネルで小樽市へ入り、長い峠道を走り抜けると2つ目のダム湖、オタルナイ湖が見えてくる。

 北海道道1号小樽定山渓線 第5部 [オタルナイ湖 → 起点(R5交点)]
 オタルナイ湖をつくる朝里ダムからはループ橋で朝里川温泉街へ下りる。
 後志道、札樽道の2つの高速道路と交差した後、日本海を間近に望む朝里で起点となり、トレース終りとなる。

Report / Section.4
札幌国際スキー場

 スキー場への入口はこちらから。第4部はこの続きを走ります。

 スキー場から先はいよいよ本格的な峠道となる。ちゃっかりゲートが設置されていますね。

 「この先、覆道内カーブあり走行注意」

 第3部区間でも見かけたような注意を促す標識。今回は覆道がちゃんと見えている。

 高原覆道を通る。入口付近の土被りが浅いのが「高原」感を漂わせる?

 覆道にしては珍しく延長が標識に明記されている。356m、決して短くはない。

 覆道内は予告どおりカーブと勾配がきついので運転には注意を要する。

 出口付近は勾配の大きな上り坂となる。余談だが覆道でも採光部が透明板で覆われてるとトンネルっぽさもあり屋内っぽさもありで雰囲気いいと思うんだ。

 修理痕の目立つ舗装と路肩の少ない道路。まだまだ改良の余地はあるが、これぐらいの方が走りごたえがある?

 上り坂がひたすら続く。

 景色に変化が小さいが、まだまだ登る。

 枯れた針葉樹と谷を跨ぐ橋梁がいかにも山岳区間と言った感じ。奥にトンネル坑口がチラ見えしている。もうすぐ朝里峠だ。

 この橋梁に入る手前にトンネル開通以前に使われていた旧道が分岐している(ゲートで閉鎖済)。トンネルでは緩いカーブで乗り越えていた峠だが、旧道時代はr=20クラスのどう見てもやばいレベルのヘアピンカーブが6箇所ある。これはきつかっただろうな・・・。

 r1最初(最後)のトンネル、朝里峠トンネルに入る。

 その名の通り峠越えトンネルで、小樽市と札幌市の境がトンネル内にある。延長は616mと長くはないがこのトンネルのおかげで朝里と定山渓の行き来がとても楽になったことに間違いはない。

 トンネル内は道道トンネルの例に漏れず明かりは少なめ。

 札幌市のHPによるとこのトンネルのうち終点側430mが札幌市管理とある。トンネル内にカントリーサインは設置されていないが、市境に相当する位置に明確な管理境界があるようだ。

 トンネルを過ぎると小樽市に突入する。カントリーサインは安定の小樽運河と倉庫街。定番風景のある都市は強い。

 小樽市内のr1は北海道管理となるため、ここまで皆無であった道道標識やキロポストをよく見かけるようになる。札幌市は設置率低いんですよね。

 温度計付きの情報掲示板。午前10時手前で気温は20℃と標高が高い分涼しい。

 この先きつい下り勾配とカーブが続く。橋梁ということもあってやっぱり運転には注意が必要そうだ。

 朱色の欄干が美しい橋梁区間。右を向けばオタルナイ湖へ続く谷筋を一望できるがそんな余裕はない。

 朝里天狗覆道に入る。覆道内は当然のようにカーブする。

 間髪入れずに次の朝里屏風覆道に入る。近隣の山の名前に因んでいるがルートとしても朝里峠トンネルと同時期に開通した区間であり名称にもその「年の浅さ」を感じざるを得ない。

 朝里峠は朝里側の方が険しい。カーブと勾配は相変わらず。

 朝里渓水覆道に入る。この名前雰囲気で付けてるのか?

 先述の朝里峠旧道はこの隧道の出口すぐの場所で現道と合流するが、法面を挟んでその上に旧道が取り残される形でルート変更されており、こちら側からのアクセスは困難である。

 小樽 19km
 朝里川温泉 8km

 距離標識と縦型の道道標識。峠道はまだまだ続くが、ほぼ平地となる朝里川温泉までは8kmとだいぶ近づいている。もう一息頑張ろう。

 12.8kmポスト。この辺りは200m間隔にキロポストがある。札幌市内になかった分、まるで鬱憤を晴らすような置き方だ。

 時折前方の景色が開ける。この辺りは標高600m以上の領域で比較的平坦な地形をしており、最奥に見える山壁もその上はなだらかな稜線をしている。

 直接接続はしていないが倶知安に至るR393があの山壁のどこかを通っている。最短の連絡経路は朝里IC手前でr956小樽環状線を経由するルートとなる。

 下り坂がまだまだ続く。放っておいてもどんどん加速するので気をつけよう。

 余談だが、写真左に見切れている送電線は泊幹線と呼ばれる送電線になる。泊原発から札幌市西区内の西野変電所に至る超高圧送電線(27.5万V)で、北海道の電力供給の主翼を担う送電線の1つである。

 「素敵な街づくりは 人に優しい道づくりから」
 ようこそ ロマンチックな街 小樽へ

 オタルナイ湖が近づくにつれ徐々に谷幅が狭くなってくる。1号線の道道印が堂々と深緑に浮かんでいる。

 工事中の標識。この日は日曜日、多分何もしてないはず。

 そっぽを向いた1号線の「単独ヘキサ」。もっと撮りやすい場所がこの先にあったのでここはスルー。

 小樽側の山は札幌側と比べると比較的なだらかに見えるが、「壁」と表現したようにこちら側に見えている斜面は急である。

 何やら工事現場が目につく。どうやら地すべり対策工事を行っているようだ。

 ここから急カーブ区間。標識のような急カーブが連続する。速度制限が30km/hに厳しくなる。

 予告に劣らず、R=20mの急カーブが襲いかかる。道内でここまでの急カーブのある峠って実は少ない。とにかく慎重に。

 R=20mクラスのカーブは5回繰り返される。カーブ部分はスペースも十分確保されておりゆっくりなら離合もなんとかなる。

 r1が冬季夜間通行止めになるのはこの急カーブ区間が原因の1つにあるように思われる。ところで航空写真で見ると朝里峠旧道の方が更にカーブがきついのだから当時はもっと恐ろしかっただろう。

 連続カーブ区間を終えれば再びなだらかな道路が続く。

 定山渓側でじっくり稼いだ標高もこの辺りまでくればだいぶ使い切った。キロポストは8.6kmと書かれているから、朝里川温泉までもうすぐだ。

 いつの間にか歩道が現れる。こうなるとダム湖も近い。

 そして、通行規制用のゲートと、駐車場への案内標識。

 ここが朝里ダムによって作られた人造湖であるオタルナイ湖の湖畔園地入口であり、ダム記念館の入口でもある。

ダム記念館

 駐車場に入ると、その正面に朝里ダムに関する資料を展示しているダム記念館が建っている。

 撮影当時は運良く開館中だったので中を見てみよう。

 入口には「私たちの暮らしをささえる、おたるの水道」というパネル。小樽は大きな河川が無く、古くから多くの貯水施設に水源を頼ってきた。市民生活を支える水道が多くの水系から成り立っていることがわかるパネルである。

 記念館自体は小さな建物だが、ダムの建設風景を記録した写真も多く展示されている。映像資料を上映する部屋もあったが、その映像資料が非常に長いため今回はパスして館内を後にした。

朝里ダム/オタルナイ湖

 朝里川を堰き止める朝里ダムによる人造湖。第2部で紹介したさっぽろ湖小樽内川を堰き止める定山渓ダムによる湖だった。ちょっとややこしい。

 駐車場の脇に湖畔園地と施設を案内する大きなパネルが設置されていた。さっぽろ湖と違い、ダム湖畔が園地として整備されており湖面に比較的容易にアクセスできるのが特徴だが、やはり時間がないので今回はパス。パネルは色落ちが目立つが、金属製の「ASARI DAM」の文字といい、音声案内らしき設備(の跡)といい、ちょっとバブリーだ。

 今回はここまで。続きは完結編、第5部。

最終更新:2019年1月29日