前作のr101下川愛別線に引き続き、ロング道道のレポート。r102網走川湯線は網走と屈斜路湖方面を結ぶ最短ルートの1つ。途中、斜里岳とオホーツク海と屈斜路湖を一度に楽しめるビュースポット、小清水峠を通る。
 第1部では、弟子屈町側の牧草地風景とカルデラの外輪を登る登山区間を紹介する。
Information
路線: 北海道道102号 網走川湯線
起点:網走市藻琴(R244交点)
終点:川上郡弟子屈町川湯(R391交点)
延長:45,890m(総延長)
沿線:JR藻琴駅、藻琴湖、大空町(旧東藻琴村)市街地、東藻琴芝桜公園、藻琴山登山路、小清水峠、川湯温泉、屈斜路湖 など 
走行:全線(終点→起点) 2015年9月21日撮影
Index

 北海道道102号網走川湯線 第1部 [終点(R391交点)→ 藻琴山展望駐車公園]
 屈斜路湖に程近い低地から湖を望む展望台まで登る登る。

 北海道道102号網走川湯線 第2部 [藻琴山展望駐車公園→ ハイランド小清水725]
 藻琴山展望駐車公園から小清水峠頂上までは好景観区間。
 撮影時には道道よりも更に高いところにあるレストハウスまで寄ってみたのでそちらも紹介しよう。

 北海道道102号網走川湯線 第3部 [ハイランド小清水入口→ 大空町東藻琴山園(r995交点)]
 藻琴山の裾野に広がる広大な森林を走る。とにかく下り坂。

 北海道道102号網走川湯線 第4部 [r995交点→ 大空町東藻琴北2区(R334交点)]
 かの有名な芝桜公園がこの区間にある。r102の唯一の通過市街地、旧東藻琴村まで走る。

 北海道道102号網走川湯線 第5部 [R334交点→ 起点(R244交点)]
 東藻琴-起点藻琴駅までは北海道らしい風景が広がる。眺望はまぁまぁだが、線形が良く気持ちいい。

Report 1/5
 300m先交差点

 直進:R391 釧路 弟子屈市街
 右折:r101 東藻琴

 斜里方面からR391を南下。川湯温泉を手前にr102網走川湯線交点が近づく。
 直進:R391 釧路 弟子屈市街
 右折:r101 東藻琴

 ちなみに、正面に見える山は硫黄山の名前でも知られるアトサヌプリで、活発に噴煙を上げている火山である。私もかつて硫黄山の噴気孔のすぐそばまで訪れたことがある。

 硫黄山の名前だけあって噴気孔のそばには天然の硫黄が算出している。
 交差点は撮影位置の真横。右折レーンもなくスピードを出していると見逃すので要注意。

 道道102号終点

 r102終点の景色。うーん、何もない。

 路肩にある「主要道道網走川湯線」の標識が旅愁をそそる。道東の道道には、こういう横置きの路線名標識(ヘキサ入のもある)がたまにある。関東圏でいう群馬県みたいな感じだろうか。
 情報掲示板が設置されている(画面ちょっと奥)。
 網走 53km
 東藻琴 30km

 この先最初の市街地が東藻琴だったりする。北海道でも道央道南の距離感は関東のそれより2,3倍くらい拡張されてる印象だが、道東はそこから更に2倍くらい広くなるイメージ。
 白樺林と牧草地に囲まれた北海道らしい風景が続く。
 路肩にカメラを振るとこんな感じ。高さを感じる秋の空に刈り取りの終わった牧草地。荒涼とした道東らしい風景だ。

 余談だが、この場所は屈斜路カルデラの北東端にあたる。東西約26km、南北約20kmに及ぶ広大なカルデラが形成された後、活発な火山活動により屈斜路湖に浮かぶ中島、先ほど紹介したアトサヌプリ、そして摩周湖を形成した摩周カルデラが形成され、現在のそら豆形の屈斜路湖と摩周湖が形成されたという。
 この画面の奥に見える山は恐らく屈斜路カルデラの西壁で、美幌峠が通っているあたりになる。
 突然r102の道道標識がぽつんと現れる。

 この標識もよく見ると路線番号とそれ以外で字体が違ったり、番号張替えの跡がある。1994年以前の旧番号は903であった。
 この辺りには数軒の牧場がある。建物がチラチラ見えている。
 うーん。何もない。

 このすぐ先にある十字路を左へ曲がると弟子屈町跡佐登地区の牧場に向かう。右はほぼ林道である。
 300m先左側に何かある。
 チェーン着脱場だった。

 この先の小清水峠越えに向けてチェーンの必要な車はここで作業しておこう。もちろん、それ以外の休憩にも使える。
 チェーン着脱場を過ぎてすぐに、ゲートと「特殊通行規制区間」の案内。

 東藻琴側のゲートまでの15km区間、吹雪による視界不良時通行止とのこと。
 というわけでレッツ無人地帯。
 「???m先 センターライン凹凸あり」

 これもよく見かける表示だけど一般ドライバー向けというより作業者向けの表示な気がしなくもない。
 この急カーブからカルデラの壁登り区間となる。
 「なだれ注意」

 この急斜面だけに冬-春季の雪崩もありえる。
 道路はカーブを繰り返すが、舗装の管理がきちんとされていたり、はみ出し警告用のセンターライン凹凸があったりと走る分には快適である。
 
 9月にして山は徐々に秋の色に変わってきている。
 まだまだ標高を稼ぐ。
 ここまで殆ど対向車がない。いや確かに朝8時過ぎでちょいと時間早いんですけどね。5連休の前半なのに。
 登り坂の途中で景色が開けてきた。
 網走 45km
 東藻琴 22km

 終点から8kmくらい走ってきた。高木が減って、周囲の植物相がだんだん山岳のそれっぽくなってくる。
 藻琴山展望公園 1km

 周囲が白樺と笹ヤブ。
 展望公園の予告標識のあたりから、荒涼とした高原の中を走る。
 笹ヤブの中に白樺の枯れ木がポツポツと立っているこの光景。冬の厳しさが窺える。

 道路の方は走りやすい2車線路だが、相変わらず勾配があるので、運転者はそこまで景色を楽しむ余裕はないかもしれない。
 ここはもうカルデラの壁の上の方である。左にカメラを振ると、屈斜路湖が一望できる。
 登り坂の上に東屋が見えてくる。あれが今回の目的地の1つ、展望公園だ。
 藻琴山展望駐車公園

 北海道の道路にたまに存在する「駐車公園」の1つ。

 だが、ここはただの駐車公園ではない。パーキングを表す標示にカメラのピクトグラムがくっついている。これは国交省道路局が2004年から指定し始めた「とるぱ」を示す。優れた景観を、車を停めてじっくりと楽しめる場所というお墨付きの駐車場に与えられる称号である。
 というわけで、駐車公園に入ってみた。
 画面左の青い車が今回の我々の旅のお伴をしてくれた2代目デミオである。格安レンタカーで借りた10年モノくらいの車で確かに新車レンタカーには劣るが、整備がきちんとされていて十分に旅を楽しめた。

 また、この背後に東屋とトイレがある。
 そして駐車公園からの景色がこれ。

 おおお!屈斜路湖!!

 突き抜けるような秋空の下、このように広大なカルデラと屈斜路湖を一望できる。また、向かい側のカルデラ壁から雄阿寒岳が頭を出している様子が見える(画面中央)。この広大な景色は人工物が殆ど無く、ただただ道東の自然の雄大さを感じさせる。

 というわけで、第1部はここまで。
Impressions
 r102は日本でも珍しい太平洋側とオホーツク海側を行き来する道道である。それもオホーツク海は直接見える。

 という特色があったりするが、やはり一番目立つのは屈斜路カルデラ外輪の峠、小清水峠だろうか。

 屈斜路湖を望むビュースポットは美幌峠、ここ、津別峠の3つあるがそれぞれ方向が違っており、屈斜路湖の形も違って見える。美幌峠の場合峠を下る道の向こうにドーナツ型のような屈斜路湖が見える。一方の藻琴山からは屈斜路湖の湖岸全体を見渡すことができ、視界を遠くにやれば雄阿寒、雌阿寒まで続く広大な山林を眺めることが出来る。

 どの峠も素晴らしい眺望を目にすることができるので、目的や趣味に応じて是非アクセスしていただきたいところである。個人的には次は津別峠に行ってみたいものだ。  

Links
 北海道道102号網走川湯線 第2部 [藻琴山展望駐車公園→ ハイランド小清水725]
 藻琴山展望駐車公園から小清水峠頂上までは好景観区間。
 撮影時には道道よりも更に高いところにあるレストハウスまで寄ってみたのでそちらも紹介しよう。


都道府県道レポート一覧へ戻る
蒼の街道トップページへ戻る


最終更新日:15年11月25日