| 北海道道329号 新旭川停車場線 |
起点: | 旭川市東8条6丁目(JR新旭川駅前) |
終点: | 旭川市花咲町1丁目(R40,r72交点) |
延長: | 1,987m(実延長) |
沿線: | JR新旭川駅 花咲スポーツ公園 北海道護国神社 他 |
走行: | 全線(起点→終点) 2015年1月3日撮影 |
JR新旭川駅石北本線と宗谷本線の分岐駅であり、今となっては日本最北の分岐駅になった当駅。駅前はこんな感じで特に何もない広場に車が停まっている。 |
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駅舎近景。周囲の市街地とは少し違って昭和の有人駅時代の雰囲気が残るが、この駅は無人駅である。 新旭川駅は正直言ってとても不便である。理由は、駅から少し歩いた先に中心部へ向かうバスのバス停があり、そちらのほうが本数が多いこと、郊外型の店舗が軒を連ねる国道39号が駅入口と反対側にあるが、新旭川駅から直接アクセスする手段が無いこと、、、などである。 |
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ガランとした駅舎内。石油ストーブは置かれているが、暖房の効きは悪かった/使われていなかった記憶がある。 | |
無人駅なので改札など気にせずホームに出る。駅舎と接するホームが4番のりば、画面奥に見える島式ホームが2番のりばと3番のりばだ。 | |
駅の様子を撮影していたら、こんな列車がやってきた。 | |
DE15 2521 調べたところ、国鉄DE15形ディーゼル機関車であるという。Wikipediaによると、「DE10をベースにした低規格線区に入線可能な除雪用機関車」とのこと。この写真ではラッセルヘッドが中心に写っている。 どうやらDE15 2521は宗谷本線の除雪という割と果てしない仕事を担当しているらしい。そしてこのフォルム、古臭いんだけどどこかかっこいい。 |
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4番のりばに設置された駅名票。 当駅は宗谷本線に所属するとともに石北本線の起点駅であるが、駅番号は「A30」と石北本線側の系統とされている(宗谷本線の駅はWが頭につく)。ちなみに、石北本線の列車に新旭川を始発/終着とする列車は無く、全列車が旭川or札幌まで運行される。 余談だが、隣駅「ながやま」と当駅の間には北旭川駅という貨物駅に加え、JR旭川運転所が存在する。JR旭川運転所が北旭川駅付近に移設されて以来、新旭川駅は日本最北の電化区間上にある旅客駅でもある。 |
道道329号起点駅の撮影を手早く終えて、暖房の効いた車の中へ。同伴していた撮影担当氏はずっと車の中で待機していた記憶がある。当時の外気温はマイナス7度と1月の旭川としては平均的な寒さであったがそれでもやっぱり寒い。 |
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r329のルートをこちらで紹介しておこう。新旭川駅はかつては貨物取扱を主に担っていたことから、広い敷地と多くの分岐線を有していた。1980年代までは石北本線とも宗谷本線とも異なる専用線が周囲の製材業者や油槽所(現新富公園)に伸びていた他、R39を跨いで東側にある製紙工場への専用線が石北本線とともに分岐していたことは割と記憶に新しい(1997年廃止)。駅舎が線路の西側にあることもあって、国道39号との関わりは元々全くと言っていいほど無かった駅であるため、停車場線も2km離れた国道40号へ向かっている。 | |
道道のトレース開始! 冬道の運転経験が殆どなかった私であるが、走ってみて思ったのが、「路面わかんね!」である。特に雪の積もった路面は日陰だと何もわからない。 |
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道路左端に「20t超」の標識がある。この標識は「総重量限度緩和指定道路」の標識で、要するに「総重量20トンを超える車は届け出が要るんだけど、この道路に関しては届出なし問題無いですよー」ということである。 こうした標識は総重量の大きい貨物車が走ることが想定される停車場線や港線に多い。メインルートを届け出た上で、国道から貨物駅など細かい区間は届け出を出さずに済むような配慮だろうか。 |
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道路は4車線幅が確保されている。路面状態は新雪が積もった圧雪アイスバーンであるが、温度が低いので滑りにくい。 目の前を横切るのは新成橋通りで、左折すると新成橋を経て市街地15丁目と16丁目の間を通る。かつて新神楽橋が出来る前は、この道を左折して道なりに進むと上川神社や神楽・神居方面まで通じていた。 |
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左折:旭川駅 直進:r329 R40方面 金星橋 右折:永山 流通団地 ここで特に通り名は無い市道との交差点。左折すると日之出橋を経て市街地14丁目/15丁目の境目を通り、イトーヨーカドーの脇をすり抜け、4条通にぶつかる。その先は旭川のもう1つの歩行者天国、銀座通り商店街となる。 |
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予告標識が出ていた、東6条6丁目交差点。 目の前のこの通りは、古くから商業施設が立地する影響で、先ほど通過した新成橋通りや次の中央橋通りを差し置いて路線バスのルートとなっており、市内連絡に重要な道路の1つとして扱われている。ただし、自家用車での中心部方面に向かうなら次の中央橋通りか、金星橋のたもとで永隆橋通りを選択するほうがスムーズに走れる。 ちなみに、右折して永山・流通団地方面へ向かう場合は中央橋通りを選択するほうが良さそうだ。 |
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新雪で覆われた圧雪路は日差しが出ていると凹凸がわかりやすい。幸いにも、特に危ない状態の場所は無さそうなので何となく真ん中-左よりに進む。 | |
中央橋通りとの交点。この交差点は5差路になっていて、r329は斜め左、目の前に見える弁当屋(ガソリンスタンドの居抜き)の左横を通れば良い。 目の前を横切る中央橋通りは左折すると中央橋を経由して市街地12/13丁目の境目を通って再開発地区の北彩都地区(コーチャンフォーのあるあたり)へ至る。右折すると新富・流通団地地区へ至り、r90旭川環状線との交点より北東側はr641北旭川停車場線として旭川の物流、生産の拠点を支える道路となる。 |
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中央橋通り交点〜この先の金星町交差点まで、道路は広めの2車線路となる(冬でも変わらず2車線路だが、先ほどの道より気持ち狭い)。 | |
この右側に、上川総合振興局旭川建設管理部の事業所がある。かつての旭川土木現業所であり、上川中部(と幌加内)の1市9町の道道の管理を担当する。 余談だが、左側にこっそり見える「梅光軒」は旭川ラーメンの老舗のうちの1軒(これは東店という支店)。2条買物公園にある本店は常に観光客やら現地客やらで賑わう有名店の1つで、昭和の風情が残る熱気篭った店内でバランスの取れた風味の古典的旭川ラーメンが食べられるが、物足りなさを感じる人もいる。 |
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左折:R39方面 直進:旭川駅 右折:R40と交差して更に進むと幌加内 交差点手前で道路はこちら側だけ2車線に広がり、年季の入った標識が。この先の交差点は変則的な十字路になっている。r329は右折して金星橋で石狩川を渡り、R40へ向かう。 |
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金星橋通り/永隆橋通り 交差点 左折すると大雪町/R39方面へ。斜め左へ進むと永隆橋通りとなり、永隆橋を経て市街地9丁目/10丁目境界、更に進むと市役所の裏手を通り抜けて旭川駅東口/南口、氷点橋で忠別川を渡って神楽方面へ。 この交差点は冬期の坂道発進のしんどさを考慮してか停止線の手前までロードヒーティングが稼働している(節約志向/AT車主流の現在では割と珍しい)。ただ、画像下に映ってるようなロードヒーティング直後の路面はしばしばツルッツルに凍り、運転者をヒヤッとさせる。 |
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先ほどの交差点を右折して金星橋にて石狩川を渡る。 2000年頃から架替工事が始まり、2009年に現在の姿となった。私は、2006年の「北の道標」時代から約4年間道道を撮影しまくったが、その時期にr329の撮影が出来なかったのはほぼ100%この架替工事のせいである。 |
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この金星橋は旭川市内で唯一の6車線の道路橋で、これは先代の金星橋が70年代に拡幅された頃から同様であった。しかし、老朽化と変形十字路の渋滞の問題の深刻化を受け新橋の建設が行われたのだが、それが長かった。 この架替えは橋を半分ずつ分けて施工されたが、元々橋の南詰に横断歩道は無かったことなどから、工事の間(2001年頃から約7年間)、自転車と歩行者は金星橋の上流に架けられた仮橋を通し、車道と完全に切り離すことにより架替を行った。故に、橋の上を撮影する機会はまるで得られなかった。 |
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手書きだが、架け替え工事の順番はこんな感じ。橋自体の建設にあたるAとBのフェーズが非常に長かった記憶があり、C以降は車道の位置がコロコロ変化していたような気がする。 なお、金星橋の対岸には花咲スポーツ公園という市最大のスポーツ施設がある。中学高校と部活の応援などでこの公園に行かされることがしばしばあったが、その際どうしても仮橋のある上流側へ行かねばならないのがネックであり、仮橋に通ずるr329の横断歩道はしばしばチャリで渋滞した。 大きい画像はこちら。 |
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この橋は拡幅後の今となっても冬期になると恐らく自然と片側2車線になってしまうようである。それでも元が広い分ゆとりがあり、比較的安心して運転できる。 金星橋トークの最後になるが、金星という名前の由来は、ずばり旧日本軍の軍服の金色のボタンに由来する。戦前、金星を付けた兵隊がこの橋を渡り、今の旭川市立病院付近にあった中島遊郭に訪れたという。その中島遊郭のあった場所が、現在の金星町である。 |
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先ほど触れたスポーツ施設への案内標識。アクセスする場合、手前の信号交差点で右折しよう。 スポーツ公園内の施設は冬期は冬期である程度稼働する。スタルヒン球場は、外野スタンドからグラウンドまでを雪で埋め、長さ50mの「ちびっこスキー場」として開放される他、グラウンドはスケート場として利用される。公園内の遊歩道の一部は「歩くスキー」コースとして使われている。ただし、プールやテニスコートは冬期は雪に埋もれっぱなしである。 |
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そろそろR40との交差点が近づいてきた。 画面右側の木が植わっているエリアは北海道護國神社の境内にあたる。護國神社は靖国神社と同じく、戦没者など国事殉難者を英霊として祀る神社であり、ここ北海道護國神社はすぐ向かいの旭川駐屯地にかつて置かれていた旧第7師団との結びつきが強い。 金星橋という名前の由来もそうであるが、旭川は第7師団の置かれた軍都という側面も持っていた。この道路がやたらと広いのも案外その名残なのかもしれない。 |
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↑福祉村 福祉村とは、r72を鷹栖方面に進んで行く途中、春光台地域にある、いわば福祉施設の集積した地区。・・・ってわざわざ解説しなくてもわかりそう。 |
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R40交差点を手前に、レーンは4つに分かれる。基本的に右折が多いことを見越しているわけだが、冬は大凡3つに分かれるイメージ。 | |
道道329号終点左折:R40 旭川駅直進:r72 道央道 幌加内 右折:R40 士別 稚内 R40/r72旭川幌加内線との交点。だいたい標識のまんまなので、特に付け足すことはない。補助標識にある「北鎮記念館」は陸上自衛隊敷地内に存在、管理する資料館で、旧陸軍第7師団や北海道の開拓、防衛に関する資料が展示されている。 これにてr329を完走!お疲れ様でした。 |
Impressions
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この路線は、金星橋を境に沿線がかなり異なる歴史を持つ道道である。 しかし、新旭川駅という駅自体、1940年に落成した国策パルプ(現日本製紙旭川事業所、製紙工場)、1942年に操業した日本タンニン工業株式会社旭川工場(1978-99、東西オイルターミナル旭川油槽所、現新富公園)といった軍需産業に関する工場に繋がる専用線を持ち、それらに関わる輸送を担った駅でもある。 そうやって考えると、r329はかつての軍都としての旭川の姿を思い起こさせる場所を通る道道であり、ただのハイスペック市街路ではないということが明らかになってくる。 それを意識して8月15日という日にこのレポートを公開したわけではないのだが(単に夏が暑くて辛いので、涼し気な冬の写真をアップしたかった)、戦争と旭川の関わりを改めて認識するとともに、古くから親しんでいたはずの街に対するイメージが少し変わったような気がした。 |
北海道道72号 旭川幌加内線 R40/r329交点から春光台を越え、鷹栖を越え、江丹別を越え、幌加内に至る、旭川を通る道道にしてはボリューミィな路線。 北海道道331号 永山停車場線 宗谷本線の隣駅、永山駅に通じる短い停車場線。こちらは、線路からすぐ近くにある国道39号に接続する。 北海道道640号 北旭川停車場線 現在の旭川発着の鉄道貨物輸送を担うターミナル、北旭川駅に連絡する道路。こちらも、実は国道40号に接続する。 都道府県道レポート一覧へ戻る 蒼の街道トップページへ戻る 最終更新日:15年8月15日 |