r397豊富停車場線はJR宗谷本線の途中駅、豊富駅と国道40号とを結ぶ一般道道。JR豊富駅は無人化して久しいが、日本最北の温泉地である豊富温泉、ラムサール条約登録地のサロベツ湿原への玄関口として役割を果たしている。
Information
路線: 北海道道397号豊富停車場線
起点:天塩郡豊富町字豊富駅前通(JR豊富駅前)
終点:天塩郡豊富町字豊富大通9丁目(R40/r84交点)
延長:293m(総延長)/ 283m(実延長)
沿線:JR宗谷本線豊富駅 他
走行:全線(終点→起点) 2017年6月18日撮影

Report 1/1

 左折:R40 旭川 名寄
 直進:r397 豊富駅
 右折:R40 稚内

 この先の信号交差点はr84豊富浜頓別線の起点交差点を兼ねる。r84をトレースした我々は、その延長上にあるr397を走ることにした。

道道397号終点

 前方を横切る道路がR40で、左前方に進むとr397豊富停車場線となる。

 r397終点交差点は豊富町市街地の北側に位置する。豊富町は人口3500人足らずの町で、市街地には大きな量販店も見当たらない。市街地をR40幌富バイパス/豊富バイパスで迂回できてしまうので、R40の通過交通も非常に少なく町は静かである。

 r397を豊富駅に向かって走る。全長300m足らずと短い路線なので、突き当りにすでに駅舎が見えている。

 なお、r397は全線にわたってr444稚咲内豊富停車場線と重複しているが、r397の方が上位路線であるため、標識類もr397表記で統一されている。

 右側に見える大きな建物は北宗谷農業協同組合の本所である。

 農協本所を通過するが、この日は日曜日とあって駐車場にも車は止まっていない。

 駅までの道中には信号交差点が1箇所だけある。

 余談だが、r397沿いの字名は少し変則的で、終点R40付近ではr397は大通9丁目と10丁目の境を通っている。農協本所のある一角は停車場通(テイシャバドオリ)である。この写真の右前方の一角つまり農協の西隣は西1条10丁目となる。
 では、写真左側、農協本所と西1条10丁目の対岸はというと、これが豊富駅前通という。

道道397号起点

 信号交差点を過ぎると、「サロベツ豊富温泉」と書かれた大きなアーチに出迎えられ、JR豊富駅前の駅前広場に入ることができる。

 なお、JR豊富駅自体も豊富駅前通という字に属している。1本の駅前道路の対岸に「停車場通」「駅前通」の字名があるというわかりにくい住所表示なのだが、どうしてこうなった。

JR豊富駅

 JR豊富駅の駅舎。現駅舎が落成したのは1966年で、20年後の1986年に無人化された(管理はJR幌延駅)。右隣には豊富観光情報センターが置かれており、JRの記念乗車券(・町民乗車票)に加え、観光案内所として町内の特産品の販売やレンタサイクルの取扱を行っている。

 駅舎内には待合室と、駅スペースを利用した「きっさ すてーしょん」が入っている。

 ホームに出て駅名標を捉える。豊富駅の駅番号はW74で、稚内方の隣駅だった徳満駅は2021年3月のダイヤ改正で廃止になった。現在、豊富駅の隣駅となっているのは15km先の兜沼駅となる。

 豊富駅は2面2線の対向式ホームを持ち、両者は跨線橋で行き来できる。この写真では手前側が1番線、奥が2番線となる。

 1番線ホームの旭川方を望む。かつては日曹炭鉱天塩砿業所専用鉄道が分岐しており、天塩炭鉱の石炭や周辺の木材出荷駅として栄えたが、1972年に専用鉄道は廃止となり、1984年に貨物取扱は廃止となった。貨物荷卸場や側線のあった場所は更地あるいは住宅地となり、現在それらの痕跡はかなり薄れている。

駅前には豊富町観光案内図が置かれていた(現在は撤去)。見ての通り豊富町にある観光名所を図にしてデフォルメした地図に配置した80~90年代っぽい案内図で、中央下にいる牛は豊富町のカントリーサインでしゃぶしゃぶ温泉に使っている牛くんのようである。

 案内図の端には、724と書かれた三角形の道道標識が描かれている。724はr84豊富浜頓別線の旧番号であるが、こんなところに残っていたとは…。

 r397全線を通して道道を示す標識は設置されていなかったが、街路灯にはこのように管理番号の記されたステッカーが貼ってある。以上でレポートは終わり。

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最終更新:2025年10月13日