旭川市南部、R237沿いの西神楽地区は森林と水田に囲まれたちょっとした市街地となっている。西神楽エリアの山間部からJR富良野線の駅まで延びる道道が、r579新開西神楽停車場線である。
Information
路線: 北海道道579号新開西神楽停車場線
起点:旭川市西神楽南
終点:旭川市西神楽南1条2丁目(JR西神楽駅)
延長:6,333m(総延長)/ 6,029m(実延長)
沿線:旭川市西神楽支所 JR西神楽駅 他
走行:だいたい全線(起点200m離れた地点→終点) 2025年9月13日撮影

Report 1/1

撮影開始地点

 r579は一方の端がどの道路にも接続しないいわゆる盲腸線道道で、起点側が盲腸の「先」にあたる。起点を探しに未舗装路を分け入って進むと、少し広場になったスペースと、そこから分かれる2本の細い林道のような道が(1本は画面奥、もう1本は左方向)。

 「よしここが起点だ!引き返そう!!」と満を持して車をUターンさせ道道撮影を開始したのだが・・・、

 後日調べてみると、起点はこの道のもう少し奥だった。その距離約200m。

 とはいえ、撮ってしまったものは一度レポートにしてしまおう、ということで今ある写真でレポートを開始する。見ての通り、r579の未改良区間は1車線幅のダート路で、路面は轍が砂利、そうでないところは草が茂っている。路肩といえるものは曖昧だが乗用車なら走行に不安を覚えるような幅ではない。

 路肩にはデリニエーターのついたポールが立っているが、走行しながら観察する限り、北海道管理であることがわかるような表記は見られなかった。

 道道を少しだけ走ったところで、右側の路肩に「落石注意」の警戒標識が姿を見せる。

 林道の分岐に差し掛かる。標識は右側の林道に対する警戒標識だった。

 右折した向こうには道路・・・?が続いている。草が茂っており普通車での通行は難しいが、ジムニーやランクルなら通れそうな様子。バリケードは外されているので、たまに通行する車がいるのかもしれない。

 道道はあまり様子を変えず、引き続き西神楽の森の中を行く。

 路盤はしっかりしているがカーブの見通しは悪いので、当然スピードは出ない。

 

 カーブ注意の警戒標識が立っている。写真ではシルエットのようになっているが、現物は錆が進んでおり全体的に焦げ茶色をしていた。

 前方が明るくなってきたところで、まもなくダートも終わりとなる。

 ダート区間を抜けると、その先は舗装された2車線路が続いている。

新開ゲート

 未舗装区間の入口にはこのようにゲートが設けられている。大雨などの異常気象時、土砂崩れなどの災害時に加えて冬期間も通行止めとなる。

 2025-26シーズンは、2025年10月16日から2026年5月7日(予定)までが冬期通行止めとなる。この未舗装区間は1年を通して走れない期間のほうがちょっと長いのである。

 ゲートを背に道道を走る。走行痕があまりないあたり、ここを通る車はかなり少ないのかもしれない。

 道路沿いに酪農をやっている民家がちらほらあるが、すでに廃墟となっている牛舎も少なくない。

 ゲート間際で少しだけ上り坂だった道路は、その後下り坂が続く。

 右カーブの内側の木陰に何かいる・・・!

 道路にいたのは、文字通り道草を食うだった。

 どうやら、このすぐ近くにある民家で飼われている馬のようだった。交通量の少ない道とはいえ、なかなかワイルドな暮らしをしている。

 片側だけ歩道も整備されている。草刈りがされておりそこそこ管理されているようだ。

 民家がまばらに散在する山間部を走る。

 

 資材置き場のような敷地が右側にある。

 正面には少し規模の大きな牛舎?が見える。航空写真で見ると、ここも一軒の民家のようだ。

道道219号交点

 左折:r219 雨紛 R12方面
 直進:r579 西神楽 R237方面

 1つ前の写真のカーブを曲がると、すぐにr219新開旭川線との交点と、その先に美瑛川を渡る橋が見える。

 r219新開旭川線はr579との重複区間は無く、この交差点を起点とする一般道道。沿線には競馬場跡(現在は横浜ゴムのテストコースになっている)があり、雨紛地区を経て一旦r90旭川環状線/R237と重複した後、神楽地区から神楽橋を経由して旭川市街へ至る。

 交差点を直進し、美瑛川を渡る。

 美瑛川を渡るとこれまでの牧歌的風景から一変、あたりは木材加工場や生コン工場に囲まれる。

 国道交差点が近づいてくると、いよいよ西神楽地区の市街地に入る。農協の集荷施設が市街地の外れにあり、写っている交差点を左に曲がるとアクセスできる。

 300m先交差点
 左折:R237 旭川市街
 右折:R237 富良野 美瑛

 R237交差点の予告標識。線路脇にてR237に突き当たる形をしている。

 左折:R237 旭川市街
 右折:R237 富良野 美瑛

R237交点/単独区間終点

 R237交点。r579はここを右に曲がり300mほど離れたJR西神楽駅まで続いているが、単独区間はこの交差点で終点となる。

 左折すると国道沿いから西神楽市街の様子を見ることが出来る。右側には商店が並び、左側にはJR西神楽駅の跨線橋が見える。

JR西神楽駅

 国道沿いに建つJR西神楽駅の駅舎。この駅前がr579の終点となる。

 道路現況調書によるとr579の上位路線との重複区間は304mとなっているが、Google地図で測定するとR237交点から現JR西神楽駅舎までの距離は約260mとなる。途中のr219交点での重複の可能性も考慮すると、30m程度現駅舎とずれた地点が終点だと思われる。1977年撮影の航空写真を見るに、当時は今よりも美瑛側にズレた場所に駅舎があるように見えることと整合する。

 駅舎内はベンチが置かれているものの、広々サッパリとしている。

 駅構内に入る。向かって奥が旭川方で、撮影位置のホームの向かい側には跨線橋で渡ってアクセスする。

 JR西神楽駅は旭川駅から9.9kmの場所にある無人駅で、旭川から来て最初の列車交換可能駅である。1978年まで一般貨物取り扱いが存在し、1986年に簡易委託化、1999年に完全無人化された。

 西神楽駅の駅名標。駅番号はF33(旭川駅から順に付番されている)。JR富良野線は沿線自治体で通学に用いられることも多く、昨今廃止になった駅は存在しない。

 r579には単独での道道標識は一切置かれていないが、北海道道であることがわかるものはいくつかある。JR西神楽駅を背に、R237旭川方面でr579が分岐する交差点にはきちんと案内標識が立っている。

 案内標識をよーく見るともとの標識に青いテープが貼られていることがわかるのだが、この下には「雨紛 [旭川競馬場]」と、かつてあった競馬場への案内が残されている。

 旭川競馬場は地方競馬であるホッカイドウ競馬とばんえい競馬の両方を開催していた競馬場であったが、2006年度にばんえい競馬が撤退、2008年10月にホッカイドウ競馬が撤退し、競馬場は閉場された。2025年現在、ホッカイドウ競馬は門別競馬場で、ばんえい競馬は帯広競馬場のそれぞれ1箇所で開催されている。

 西神楽市街のr579沿線には、道管理の街路灯に示すステッカーが貼られている。元々は標柱に書かれた「新西 001」という縦書きのものであったが、最近になって路線番号入りのものが上張りされている。

 r579レポートはこれにて終わり。お疲れ様でした。

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最終更新:2025年11月25日