埼玉県南部の狭山地域は、東京近郊でも農地が多く残っている農業地域でもある。特に狭山周辺は「狭山茶」として知られるように茶の生産が盛んであり、r8の沿線にも茶畑が点在することから「茶つみ通り」とも呼ばれている。

Information

路線:埼玉県道8号 川越入間線
起点:川越市砂(R254交点)
終点:入間市宮寺(R16交点)
延長:14,958m
沿線:東武東上線新河岸駅 西武新宿線入曽駅 西武池袋線武蔵藤沢駅 
走行:全線(終点→起点) 2021年2月23日撮影

Index

 埼玉県道8号川越入間線 第1部 [入間市宮寺(R16交点)→狭山市入曽(r50交点)]
 入間市内で国道16号から分岐し、茶畑の点在する郊外地域をR16と平行に走る。
 R16より少し都心寄りを走るこの道は周辺地域の交通を捌くには少し狭いようで、信号待ちや混雑によるペースダウンも多い。

 埼玉県道8号川越入間線 第2部 [狭山市入曽(r50交点)→川越市砂(R254交点)]
 短冊状の地割が残る畑作地帯を走る。相変わらず交通量は多く、川越市内に入っても動きはゆっくり。
 最後に、一桁県道として想定外だった市街地内狭路が待ち受ける。

Report 1/2

 200m先
 直進:R16 さいたま 川越 [入間I.C]
 右折:r8 所沢

 R16外回りを東京都から埼玉県へ。r8の終点交差点の予告標識が現れる。

 R16は東京環状とも呼ばれる幹線国道で、圏央道の少し内側を走っている国道。とことん郊外地域を走るという特徴があり、ほぼ全線にわたって沿線にロードサイド店舗が並んでいる。

 直進:R16 さいたま 川越 [入間I.C]
 右折:r8 所沢

 r8はこの先の交差点を右折する。

 この交差点のある場所は宮寺という。交差点を直進すると入間アウトレットやコストコを通過し、圏央道入間ICに接続する。

県道8号終点/R16交点

 入間市宮寺にてr8は斜め右方向へ分岐し、川越を目指す。

 r8/R16交点は渋滞スポットでもあるようで、撮影当時は空いていたがラジオの渋滞情報に時々登場する。

 交差点を斜め右へ入り、r8のトレースを開始する。一桁県道ということもあり2車線ながら走る分には問題なさそうだ。

 沿線は中古車販売店や小さな事業所、それから茶畑が並ぶ。

 画面右側に「狭山茶の主産地」という看板が電柱とかぶって立っているのだが、狭山茶として認められる産地のうち、生産量が一番多いのは狭山市ではなくここ入間市だったりする。

 狭山茶における入間市のシェアは6割で、ついで所沢市、狭山市とのことである。なお、狭山茶銘柄を名乗る条件は、「埼玉県内及び埼玉県に隣接する東京都の西部地域を産地とする茶葉を100%使用したもの」であるという。入間はもちろん、秩父のお茶でも一応狭山茶を名乗ることができる。

 道路際に並んでいる低木、これが「茶」である。当サイトは北海道道の紹介がメインなので茶畑のある風景を紹介するなんて初めてかも知れない。

 狭山茶は茶産地としての歴史が長く、茶産地のブランドとしても、静岡、宇治とならぶ「日本三大茶」の1つに数えられることもあるほどである。

 片側に歩道のない典型的な昔ながらの「2車線の幹線道路」を走る。40km/h制限というのも結構まどろっこしい。

 100m先
 左折:R463 飯能
 直進:r8 川越
 右折:R463 所沢

 R463との1回目の交点が近づく。

 左折:R463 飯能
 直進:r8 川越
 右折:R463 所沢

R463交点

 上藤沢交差点にて、R463所沢入間バイパスと交差する。

 R463所沢入間バイパスは所沢市内を西武池袋線と平行に東西に走る。左折するとR16交点を経て飯能方面へ向かう。右折した先、肝心の西武新宿線や所沢中心部といったボトルネックを回避することなくバイパスが途切れる。東村山・清瀬方面へはR463支線や県道に迂回を強いられる。

 「藤沢交差点から所沢方面 橋りょう架替工事 上り線のみ24時間通行止め」
 川越 16km

 R463バイパスを通過すると歩道橋にデカデカと工事通行止めの横断幕が掲げられている。この先でクロスするR463現道では所沢中心部方面に抜けることができないといった重要な情報である。

 西武池袋線をまたぐ跨道橋の工事らしいのだが、これについてはもう少し走り進めてから触れることにしよう。

 住宅街のような農地のような郊外をのんびり走りすすめる。

 「戦いは最後の5分まで」「得意冷然、失意泰然」

 アツい言葉が掲げられているこの建物はなんだろうと思ったら、狭山ヶ丘高校という私立高校らしい。

 車のディーラーの看板を背後にr8の県道標識が現れる。主要地方道とあってこの先も標識はよく見かける。

 信号交差点も多いが、割ときちんとした速度で走ることが出来る。

 道路脇には山田うどん食堂の看板が立っている。

 黄色地に赤いやじろべえが特徴的なこの食堂、狭山地域周辺ではものすごく頻繁に店を見かけるのだが、それもそのはず、首都圏に約150店舗、埼玉県に80店舗余りをフランチャイズ展開するうどんメインの食堂である。

県道224号交点

 直進:r8 川越 狭山
 右折:r224 武蔵藤沢駅

 ここでr224武蔵藤沢停車場線が分岐する。武蔵藤沢駅は西武池袋線の駅である。

 後述のR463通行止めの迂回路として公式に案内されているわけではないが、ここで右折すれば一応R463所沢中心部方面へ通り抜けることはできる。

 r224交点を通過するとまもなくR463交点となるのだが、工事看板がやたらと連続している。

 なお、R463通行止めの迂回路としては、先程通過したR463バイパスか、この先でクロスするr50、r126が正式に案内されるところである。

 左折:R463 飯能
 直進:r8 川越 狭山
 右折:通行止

 R463交点の予告標識。案内標識まで「通行止」と書き換えられている。 右折車線まで塞ぐという完璧っぷりである。

 西武池袋線を跨ぐ跨線橋の架替工事によるもので、その期間は2020年1月から2022年3月、なんと2年2ヶ月という長期通行止を予定しているとのこと。更にこの跨線橋、「完成後76年が経過」しているらしく、戦時中にかけられた橋ということになる。

R463交点

 R463現道の交点。左折すると入間市中心部を経てR16と交差し、R299現道/R407に路線を変えて飯能/鶴ヶ島方面へ至る。

 飯能方面へは先程クロスした所沢入間バイパスを経由するほうがスムーズである。R299の狭山飯能バイパスに直結しており、飯能市街もバイパスでスムーズに通過することができる。

 R463交点を過ぎると西武池袋線の踏切となる。

 西武池袋線を渡ってまもなく、狭山市に入る。

 狭山市の茶畑の風景を望む。r8は茶つみ街道という別名もあるようで、混雑に巻き込まれてものどかな茶畑の風景が助手席や後部座席メンバーの目を癒やしてくれる。

 狭山地域は茶の栽培の歴史こそ長い(鎌倉時代に始まったらしい)が、大規模栽培地域としてはほぼ北限にあたる。1年に収穫できる回数は2回で、冬期は霜にも当たる環境であることから茶の木の葉は分厚く、そして重厚な香味とコクがあるという。また火入れも伝統的な方法で行われており、狭山茶特有の濃厚な風味を出す秘訣となっているらしい。

 右側に見える煙突のある建物は、製茶工場と呼ばれる茶の加工場である。

 狭山茶のもう1つの特徴は、静岡、京都、鹿児島といった大規模産地と違い、生産者が製茶まで行い、遠方に出荷することなく人口の多い近隣地域で消費されることである。茶の栽培が近郊農業化して見事に地域に溶け込んだ事例といえるだろう。

 R463の迂回の影響もあってかノロノロ走行が続く。県道標識をきれいに撮ることができてそれはそれでよかったけど、時間が気になるところ。

 狭山茶はその流通形態から、生産者こだわりの自家製茶を楽しむことが可能である。一方で、収穫回数も面積も小さく生産量そのものが少ないため、現地に行かないとなかなか手に入らない逸品だったりする。買えばよかったな…。

 茶畑と住宅地の入り交じる地帯を走るうちに、西武新宿線と交差する。

 池袋線の踏切からの距離は1.6km、駅間移動だと入曽駅から武蔵藤沢駅を移動することになるがその距離は約2.1km。おとなしく所沢で乗り換えたほうがいい距離かもしれない。

 案内標識は特に見られないが、r225入曽停車場線がここで右に分岐する。

 左折:r50 国道16号方面 [圏央道]
 直進:r8 川越
 右折:r50 所沢

 r50所沢狭山線との交点が近づく。

 左折の「圏央道」表記の下部には、「狭山日高IC」と小さく書かれている。

県道50号交点

 入曽交差点でr50と交差する。r50は西武新宿線と平行に走る道で、左折すると狭山市街へ、右折すると所沢市街へ向かう。

 第1部はここまで、続きは第2部

このページの最上部へ   ◇ 都道府県道 路線順一覧   ◇ 蒼の街道トップページ
最終更新:2021年1月23日