北海道道のトップナンバー、「道道1号線」は札幌の奥座敷定山渓と小樽市郊外の朝里地区とを結んでいる。2つのダム湖と2つの温泉を抱え、観光路線としての色合いの強いこの道道、余すところなく紹介しよう。
Information
路線: 北海道道1号小樽定山渓線
起点:小樽市新光2丁目(R5交点)
終点:札幌市南区定山渓温泉東2丁目(R230交点)
延長:37,900m(総延長)
沿線:JR朝里駅、札樽道朝里IC、朝里川温泉街、朝里ダム(オタルナイ湖)、
札幌国際スキー場、定山渓ダム(さっぽろ湖)、定山渓温泉街、他
走行:全線(終点→起点) 2017年7月23日撮影
Index

北海道道1号小樽定山渓線 第1部 [終点(R230交点)→ r95交点 ]
 札幌の奥座敷、定山渓温泉からトレース開始。
 温泉街をすぐに抜け、定山渓ダムに向かう道すがら、不通区間持ちのr95が分岐する。

北海道道1号小樽定山渓線 第2部 [r95交点 → さっぽろ湖]
 r95交点を過ぎると山岳区間らしくなってくる。
 札幌の水瓶、「さっぽろ湖」を造る定山渓ダムの上を通り、そこから先は観光色が一層強まる。

北海道道1号小樽定山渓線 第3部 [第一展望台 → 札幌国際スキー場付近]
 さっぽろ湖に沿って走る快走区間。
 ダム湖道道らしくトンネルと橋梁が連続する楽しい区間だ。

北海道道1号小樽定山渓線 第4部 [札幌国際スキー場付近 → オタルナイ湖]
 札幌国際スキー場から先は急勾配と急カーブの連続する朝里峠に入る。
 朝里峠トンネルで小樽市へ入り、長い峠道を走り抜けると2つ目のダム湖、オタルナイ湖が見えてくる。

北海道道1号小樽定山渓線 第5部 [オタルナイ湖 → 起点(R5交点)]
 オタルナイ湖をつくる朝里ダムからはループ橋で朝里川温泉街へ下りる。
 後志道、札樽道の2つの高速道路と交差した後、日本海を間近に望む朝里で起点となり、トレース終りとなる。

Report / Section.1

 直進:R230 喜茂別 中山峠
 左へ:r1 小樽 定山渓大橋

 R230を札幌から喜茂別方面に走る。白糸隧道というトンネルを抜ければ、そこは札幌の奥座敷、定山渓温泉となる。観光客の多い温泉街はこの交差点を直進した先になるが、r1をトレースするには右折だ。

 右折の方面表示に定山渓大橋が書かれている。ダムほど重要なランドマークではない気がするんだけど・・・。

道道1号終点

 定山渓温泉東2丁目交差点。ここがr1の終点となる。中山峠方面へはここを直進しずっと道なりだ。

 右折してすぐ、温泉街のはずれにあたるエリアを走ることになる。右側に顔を出している大きなホテルは定山渓ビューホテルで、この辺りの温泉ホテルの中では大手にあたる。

 定山渓ビューホテルの横から、定山渓大橋にて豊平川を渡る。広い歩道とブロンズ像がいかにも観光路線らしい。

 定山渓温泉地区は豊平川で東西に隔てられており、この位置の道路橋架橋は以前から地元による要望が挙がっていたという。r1はこの橋の2本下流にある錦橋を通り温泉街をパスしていたが、1974年ルート変更が決定したことで建設計画が進展、1978年に完成した。

 左折:定山渓温泉
 右折:r1 小樽

 r1はこの先の交差点で右折となる。

 特に道道オーラのしない交差点だがここでr1は右折。

 せっかくなので左折してみる。しばらく走ると路面が石畳となり、温泉街らしい雰囲気が漂ってくる。右手に見えるのは「定山渓第一寶亭留 翠山亭」という定山渓では高級宿。

 先程の翠山亭とは全く別の場所になるが、今度はr1直下にある歩道橋「高山橋」付近まで降りてみる。駐車場付近から豊平川上流を眺めるとこんな感じ。

 切り立った峡谷で川を挟んで高層ホテルが並ぶ光景はいかにも温泉街といった感じでいいですよね。鬼怒川なんかがまさにそう。

 道道に戻ってトレースを再開する。温泉街の北側にあたるこの辺りにも宿はあるが、従業員寮など宿泊施設を支える施設も目立つ。

 ここで初めて道路情報掲示板が現れる。

 ところで、r1の旧ルートである錦橋ルートは白糸隧道よりも札幌寄りの位置でR230から分岐し、この先の交差点で現r1と合流する。そういえばあっちのルートにも情報掲示板が置かれていた。

 左折:r1 小樽
 直進:定山渓ダム下流園地
 右折:札幌市街 R230方面

 再び交差点。この先直進すると定山渓ダムの堤体直下まで行くことが出来る。

 錦橋ルートはここを右、そして直進してダム堤体に至るルートはダム完成以前の旧ルートであり、1978年より前は交差点の右からやってきて奥へ行くルートを、78年から89年の間r1はこの交差点を直進するルートを取っていた。

 交差点の様子。r1小樽方面はここを左。

 先述のルート経緯に関連するが、左折した道は定山渓ダム完成以前まではr95京極定山渓線の単独区間であった。r1が左折ルートとなって久しい現在(2019年1月)においてもr95の終点は変わらずここである。ここからr95/r1分岐までの約2.4kmが重用区間として認定されているのだが、問題はその順位である。

 左折すると、現場では確認できないがしばらくの間r95との重複区間に入る。周囲は森林が目立つようになり、遠方の山もが見えることも相まって非常に気持ちのいい道路となる。

 その問題とは、道路調書上では「路線番号が若いほうが上位」というルールを無視してr95が上位として記載されているのである(調書を見るとr95側に重用区間がない)。調書自体のミスも考えられるが、定山渓ダム完成によるr1のルート変更で札幌市がこれをどう処理したのか、謎が残されている。

 澄んだ空に浮かぶ積雲、余市岳方面の山並みまでひたすら続く深い緑。でも近景には自販機や民家といった生活風景があったりする。僕はこういう風景を個人的に「ぼくのなつやすみだ!!!」と呼んでいる。元ネタはプレステのゲームです。

 幅員狭小の警戒標識が空高くにそびえるが、この先歩道がなくなり路肩が狭くなるだけで車線数が減るわけではない。

 このカーブからは人家もしばらく見られなくなる。本格的な山間区間の始まりだ!

 とはいえ札幌近郊なので、対向車とすれ違う頻度は大きい。

 夏山をバックに軽自動車とすれ違う。

 走りやすい道だがこの辺りでもちょっと急なカーブはある。

 直進:r1 小樽 定山渓ダム
 右折:r95 豊羽鉱山

 r95京極定山渓線との交点(分岐)が近づく。国際スキー場は直進。

 先述の通り、この交差点までがr1/r95重用区間で、この先のr1は定山渓ダム完成に伴って新たに建設されたルートとなる。

道道95号交点

 ここで右へ曲がると豊羽鉱山へ続くr95京極定山渓線の単独区間となる。なお豊羽鉱山から先は不通なので通り抜けは出来ない。第1部はここまで。

 r95は豊羽鉱山に繋がっている。インジウムという金属産出量世界一の鉱山であったが、2006年に閉山。現在は廃水処理のための施設が稼働している。

最終更新:2019年1月1日