中央環状線内回りの区間2。いよいよレポートも後半戦、「いたくま」渋滞に巻き込まれながらも、遂に我々は「山手トンネル」へ突入する。

首都高速 C2中央環状線(内回り) レポート
中央環状線内回り 区間3 → 中央環状線内回り 区間2 → 中央環状線内回り 区間1
江北JCT C34 王子北 板橋JCT 熊野町JCT C26 西池袋
C24中野長者橋
西新宿JCT C23 初台南
大橋JCT
C21 五反田
大井JCT

レポートについて
 取材日:15年3月14日
 初台南から大井まで中央環状線内回りを1周+αした(1周目でトンネル内の撮影に苦戦したため)。
 全体では初台南→大井(2回目)JCT→有明JCT→芝浦PA休憩→銀座・箱崎経由堀切JCT→大井JCT→大橋JCT→神田橋。
 走り過ぎた感は否めない。

 なお、今回の撮影はほとんど据え置きカメラで撮影している。
 中央環状線の写真はカメラの発色設定をミスってしまい全体的に画像補正を加えている。

レポート(区間2)

 板橋JCT

 本線:C2/5/4号線 中央道 東名
 右へ:5号線 大宮 関越道

 都心環状・東池袋は本線へ。

 区間3の続きからレポートを開始する。
 熊野町JCT 1km
 左:5号/C1 東池袋 都心環状
 右:C2/4号 中央道 東名

 新宿方面、渋谷へは右。新宿「方面」とあるのは、4号新宿ランプにはC2経由でも(C1経由でも)アクセス出来ないためである。実際は中野長者橋で降りることになるだろう。

 それよりも、先ほどの板橋JCTで5号に流出する交通がそれほど多くないにも関わらず、この画像の地点では本線が2車線から1車線に狭められるのが超気になる。
 熊野町JCTの構造を示すのがこの図。
 5号との合流部がここでまだ見えないにも関わらず900m先で分岐を強要される織込み区間の短さ(浜崎橋JCTよりはまだマシだが)、そして真ん中1車線が分岐で二股に分かれる構造。C2の通過交通と5号の通過交通が真ん中の車線に集中するためカオスになるのである。
 問題の熊野町JCTへ進む。

 C2内回りを走り続ける場合、この近辺でのネックは3箇所あると考える。1箇所目は先ほどの板橋JCTの車線減少部、2箇所目は5号・C2合流部、そして3箇所目は山手トンネル内勾配変化地点。これらの渋滞が繋がると、西新宿-板橋(ひどい時は王子や江北)断続渋滞といった様相になる。
 ここで5号線と合流。
 5号線側は左車線は交通集中と合流の影響で殆ど動かないが、右車線の方は交通流入の影響を受けないのでまずまず流れる。高島平方面から新宿方面へ抜ける場合はさっさと右に寄っていたほうがいい。
 熊野町JCT 600m
 左:5号/C1 東池袋 都心環状
 右:C2/4/3号 中央道 東名

 この先山手トンネルに向かって下り勾配が続くため、速度が上昇し一旦流れが良くなる。しかしすぐに詰まってたりするのでスピードの出しすぎに注意。

 ちなみに、山手トンネルは延長5000mを越える長大トンネルであるため、危険物積載車通行禁止。5号線都心環状線方面へ入ろう。
 織込み区間を進む。合流部のネックを過ぎたので暫く流れが良くなる。
 熊野町JCT 300m
 左:5号/C1 東池袋 都心環状
 右:C2/4/3号 中央道 東名

 ここまで来ると右車線に行くほど混んでいる。
 急カーブしながら車線数が3から4に増える。はっきり言って運転するの少し怖い。

 熊野町JCT

 左:5号/C1 東池袋 都心環状
 右:C2/4/3号 中央道 東名

 左へ進むと都心の首都高にありがちな理不尽急カーブが襲いかかる。一方、直進した先にはトンネル信号が見える。山手トンネルはもう近い。
 山手トンネルの情報掲示板とトンネル信号。

 この先トンネル信号は何度もお目にかかることとなる。事故や火災の際は赤となるが、この際は絶対に信号or入口手前で停止せよとのことである(首都高公式)。
 東京港トンネルのトンネル信号は黄色点滅することもあるらしいが、これはトンネル内渋滞に注意せよという意味とのことである。山手トンネルのトンネル信号に黄点滅があるかどうかは私はわからない・・・
 お次はETCカード挿入チェックのアレ。
 ここで待避所らしきものが設けられている。見ての通り逃げ場のない2車線路なので、事故や緊急時の際には可能な限りここに停車し安全を確保せよということか。
 [C26] 西池袋 出口800m

 東中野、目白通り方面はこちらから。山手トンネルを前に5.9%という急な下り勾配が続く。この数字は、道路構造令第20条に示された最大縦断勾配の標準値(設計速度60km/hに対し5%)を上回る例外的な数値だったりする。うわお。
 再び渋滞情報掲示板が登場する。西新宿JCTまで断続渋滞である。
 2度目とトンネル信号。山手トンネルを前に一気に流れが悪くなる・・・
 [C26] 西池袋 出口 400m

 ちょっと奥に山手トンネルの坑口が見えてきた!
 山手トンネル 長さ 18100m

 遂に来ました!!!

 山手トンネルは、中央環状線全通時に関越トンネルを抜き日本最長の道路トンネルとなった(正確には外回り線のほうが18200mと長い)。世界で見てもノルウェーのラルダールトンネルに次ぐ2番手に位置し、高速道路トンネルとしては最長である。

 というわけで、ここからはずっとトンネル内のレポートとなる。こんな道路レポートは初めての体験である。

 余談だが、高速走行中にトンネル内の標識を解読可能なレベルで撮るのは難易度と条件が結構厳しいため、編集作業を通してOLYMPUS XZ-2という高性能コンデジの恩恵をかなり実感していた。

 もう1つ余談だが、この辺りでは山手トンネルの下に東京メトロ有楽町線が交差する形で走っている。他の例は後で述べるが、東京の地下は既にインフラが設置されている部分が少なくない。山手トンネルを建設する上ではそれらの既設インフラに影響を与えないためにかなりの苦心と工夫が凝らされている。
 [C26] 西池袋 出口
 次は 中野長者橋

 ここで西池袋出口。西新宿JCTまでは2009年開通区間であるが、内照式の標識はほとんど用いられてない。
 「トンネル内ライト点灯」 これもこの先何度も見かける文言である。
 [C26] 西池袋 出口

 新中野、目白通りはこちらから。

 ちなみに某自動車学校の送迎バスは西池袋出口を少し進んだ先の交差点でUターンして要町や池袋西口へ向かっていた。池袋の東西移動は新宿渋谷よりかなり面倒くさいので一考。

 一方の本線はこの先トンネル信号からの下り勾配である。
 ここからシールド区間(断面が丸い)になる。
 現在位置は椎名町の少し北といったところか。渋滞・・・?
 「トンネル内速度注意」

 そしてまたトンネル信号。
 椎名町入口からの合流。

 ここでは中央分離帯のスペースを活かし山手通り南行きから右分岐、本線に右合流という流れである。要するに最も普通なパターンなのだが・・・この合流/分岐形式を逆転させた場所がこの先に1箇所ある。区間1で紹介しよう。
 「トンネル内ライト点灯」

 またトンネル信号。
 トンネル内ようやく流れが順調になってきた。
 [C24] 中野長者橋 出口 ??km

 新宿、甲州街道はこちらから。「新宿」の文字が特に大きい。

 この付近から中野長者橋ランプ付近まで大江戸線と中央環状線が山手通り下に並走した状態となる(大江戸線がより深い)。
 この画像を見ればわかるように、この先トンネルの断面が丸型(シールドトンネル)ではなく角型(箱型トンネル)になる部分がちょこちょこ存在する。これは、箱型トンネル部分で大江戸線と同時に開削工法で建設された部分とされている。首都高の事業概要によると、本線では熊野町-西新宿間では池袋側坑口-西池袋ランプまでと、都営大江戸線中野坂上、東中野の2駅の直上が開削工法で建設された部分となる。
 この写真の撮影位置だとおおよそ中井駅のあたりと考えられる。
 「高井戸まで25分 厚木まで85分」

 高井戸に繋がる首都高4号、厚木に繋がる3号と東名ともに渋滞箇所があるようだ。
 1.2km?先 4号 中央道
 400m先 [C24] 中野長者橋 出口 新宿

 トンネル坑口の形を活かしたかまぼこ型の内照式案内標識が初登場する。大井までこのスタイルの標識がたくさん登場する。
 [C24] 中野長者橋 出口
 次は 西新宿JCT 1km先右分岐

 ここで出口。新宿からはやや離れているが、他に新宿周辺にアクセスが容易な出口は無く、ここ中野長者橋を利用することとなる。
 [C24] 中野長者橋 出口


 この先、神田川をくぐるためなのか一気に下り勾配。
 東名厚木まで85分 4号方面渋滞注意

 と思いきや今度は上って下りる。西新宿JCTが近くなると右車線が混んできた。
 西新宿JCT 600m
 本線:C2/3号 湾岸線 東名
 右へ:4号 高井戸 中央道

 渋谷方面は直進。この先の西新宿JCTは右分岐。4号、中央道方面へ向かう場合は早めの準備を。

 この辺りまで来ると都営地下鉄大江戸線との並走区間を終えているはずだが、換気所があるためなのか何なのかもう暫く開削工法のトンネルが続く。
 カーブ注意

 右車線の分岐渋滞が・・・
 本線:C2/3号 湾岸線 東名
 右へ:4号 高井戸 中央道

 カーブしながら中央道への案内標識が登場する。分岐までまだ遠いからためかもうちょい奥にも案内標識が置かれている。急カーブ故かこういった案内標識の乏しさは都心環状のそれにも近い。

 西新宿JCT

 本線:C2/3号  東名
 右へ:4号 高井戸 中央道

 4号線高井戸方面への分岐。ここ西新宿JCTまでが2007年12月に開通した区間となる。見ての通り合流またはその先を先頭とする渋滞が発生している。

 勘の良い方ならわかるかもしれないが、ちょうどジャンクションの部分で本線トンネルが開削or立坑ではなくシールドに戻っている。中央環状線はたまげたことに(?)、この先大井JCTまでほぼシールド工法となる。
 区間2はここで終わり。次回、いよいよ新規開通区間大橋JCT-大井JCTに突っ込みます。
首都高速 C2中央環状線(内回り) レポート
中央環状線内回り 区間3 → 中央環状線内回り 区間2 → 中央環状線内回り 区間1
江北JCT C34 王子北 板橋JCT 熊野町JCT C26 西池袋
C24中野長者橋
西新宿JCT C23 初台南
大橋JCT
C21 五反田
大井JCT
首都高速中央環状線 目次

関連ページ

 東京地下物語 地下と社会をつなぐ
 鹿島建設のホームページ内のコンテンツ。地下で交差するインフラ・構造物と工法はこの最下部に掲載された概要図を参考にしている。



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 最終更新:15年5月29日