Introduction−この道道をレポートする前に

 札幌の道道で気になった道道がこの花畔札幌線。
 まず、路線名を読めますか?

 正解は、「ばんなぐろさっぽろせん」。「花畔」は「ばんなぐろ」と読みます。
 これを初見で読めたら大したものです。

 北海道は難読地名が多いので気になる理由は路線名じゃありません。

 気になるその理由は、その線形とトレースのしにくさ。札幌市街の道路は基本的に「碁盤の目」状に整備されており、東西南北に道路が規則的に走っています。「基本的に」です。その例外がこの路線。まったく他の道路を無視して斜めに走る文字通りの「曲者」です。途中には北行きの一方通行と南行きに一方通行がどちらも存在するため、基本的に1度の走行ではトレースできません。自動車では。
 この理由は開拓史時代までさかのぼり、伏籠川に沿って作られた「元村街道」がその発祥とされています。現在は伏籠川の流路は大きく変わってしまい、下流付近を除いて、この道道の線形は地形に残らないかつての伏籠川の流路を伝えているのです。

 そんな歴史ある「変わり者」の道道を一方通行の影響を受けない自転車でトレースしましたので、道道レポよりも「Project」に近い形のレポートでお送りします、一般道道273号花畔札幌線。

データ
  • 起点:石狩市花川北7条1丁目(r44交点)
  • 終点:札幌市東区北7条東1丁目(R5交点)
  • 延長:20.7km(うち札幌市管理17.6km)
  • 沿線:石狩市役所 JR篠路駅 百合が原公園 丘珠空港 東区役所 JR札幌駅
  • 完走区間:全線(終点→起点)、08年10月19日

     今回の取材に当たり札幌駅東側の「えきチャリ」を活用させていただきました。
     放置自転車を活用したもので1日500円、保証金1000円で利用可能。
     これのいいところは、利用時間が長い(6:00-24:00)こと。

  • 目次

     この道道は延長20km程度だがあまり画像を減らすと路線の繋がりが分からなくなるので画像を多めに公開し「Project」に近い形とする。そのため全6部と長めに仕上げた。

    北海道道273号花畔札幌線、第1部 [終点(R5交点)〜札幌市東区北18東18]
     数百メートル進んでいきなり地図を頼る事態に。慎重にトレースしたつもりが、道を間違える。

    北海道道273号花畔札幌線、第2部 [北18東18〜札幌市東区丘珠町]
     住宅街を抜け、札幌新道を横断。丘珠空港を見渡す平地へ。

    北海道道273号花畔札幌線、第3部 [丘珠町〜札幌市北区篠路1-10]
     札幌市街を南に、農地が広がる郊外を西に向けて走る。

    北海道道273号花畔札幌線、第4部 [篠路1-10〜第二伏籠橋]
     再び住宅街を走り抜け、伏籠川に出会う。

    北海道道273号花畔札幌線、第5部 [第二伏籠橋〜石狩市花川東]
     伏籠川を何度も渡って、花畔札幌線よ、何がしたい?

    北海道道273号花畔札幌線、第6部 [花川東〜起点(r44交点)]
     ラストスパート、石狩市内を走る。

    Report.1 Section.1 秋の薫り 苦戦の予感

     時は2008年10月、北海道は秋真っ盛り。
     札幌駅から数百メートル。国道5号線との交点である起点からまずは東に進もう。

     r273終点

     国道5号線を札幌駅から北上。札幌市内でr273の路線番号を拝めるのは後にも先にもここだけ。あとは石狩市にはいるまでまったく案内が無い。
     北8条通を走る。道路は快適な4車線。右に見える煙突は北海道熱供給公社中央エネルギーセンターのもの。
     周囲は旭川でも見られるくらいのさほど高くない建物が多い。途中にはスーパーも。結構札幌駅から近い位置だけど、大都市の中心部という感じはあまりしない。

     次、画像にポインタを当てるとネタバレします。
     問題・・・道道はどっちでしょう?

     A.道道は普通立派な道でしょ?だから直進。
     B.アングルが意味ありげ。あえての左。
     C.管理人は撮影が下手だから、写ってない右折。

     ポインタを当てると正解が表示されます。
     正解はB。一方通行を反対向きにレポートするわけだが、自転車での撮影と言うことでほぼ影響を受けないで北に進む。1.5車線幅の狭隘路。

     これを把握するのに交差点で自転車に跨ったまま地図を数分間見つめていたのだから端から見ればかなり不審に思われるだろう。
     このシャッター街も昔は上階に住んでいた住人のための大事な商店街だったんだろうな。
     数百メートル走り抜けると北10条通・東8丁目篠路通と微妙な五叉路。この東8丁目篠路通、篠路地区ではこの道道とほぼ並行する。

     r273は正面の黄色い建物のある方向。
     札東映画劇場って何だ?映画館か?

     調べてみると、R-18映画を専門に扱う映画館だった。塗装がピンクでないだけまだいいか・・・
     こんな感じで大都会の一角を突き進む。生活道路としては広いけど道道という感じはしない。
     取材は10月中旬、秋真っ盛り。札幌でも紅葉が進んでいた。
     マンションやアパートは多いけど、一方で画面左側のような古びた一軒家も建っている。北海道の道道ではこんな光景を見られる路線は数少ない。
    Report.1 Section.2 着実に北上しよう

     舞台は北13条。
     しばらく札幌の碁盤の目を無視して北東に進んでいたが、今度は真北に向かって進む。
     それにしても風が強い。どうやら追い風みたいだけど。
     ここで北13条北郷通との交差点。
     交差点の様子。ポインタを当てると道道の方向が表示されます。
     前方にそびえるマンションが立派。だが、大きな通りを間借りするのはほんの数十メートルだ。
     r273はここで左折。
     また普通の2車線の道路になる。
     ちょっと広めの生活道路といった感じだ。
     この100か200m先で環状通(r89札幌環状線)との交差点がある。追い風に乗って自転車を漕ぐのに夢中になっていたのと、まだ札幌の住宅街でシャッターを切ることに対する羞恥心があり、撮るの忘れてた・・・。
     道路の撮影、特にこういう都市部の何てこともない道路(道道だという理由で撮影しているが)を撮影するときは、自分を捨てる覚悟は若干必要である。
     この辺りも、自転車で走っていて、道道を走っているんだという感覚はあまりしなかった。
    Report.1 Section.3 住宅街を走る道道迷人?

     追い風に押されて早速やられました。
     北18条通との交差点。
     追い風に乗って自転車を漕ぐが、あれっ、少し道路の雰囲気変わった?
     右手に見えるは公園。その先は右カーブ。事前調査の段階で北18条を過ぎたところに公園など無かった気がしてきたのはこの辺りから。
     ずっと奥はマンションになっていて突き当たりのようだ。
     ・・・、これまた事前調査の段階では突き当たりなどこんな所で見えるわけがないはずだぞ?

     今走っている道に不信感を抱きつつも、追い風に後押しされ更に進む。
     その後、住居表示を発見し、自転車を止めて地図を広げる。現在地は北21条東19丁目。
     r273の正しいルートを周辺の地形図データに重ねて赤で表示した。オンマウスでレポートの現在地と管理人の経路を青で表示する。

     オンマウス時の(1):道路の雰囲気が少し変わった?
     (2):右手に公園。こんなのあったっけ?
     (3):大いに不安になってまいりました。
     こんなに間違っていたんだ、と思いつつ強い向かい風の中北18条まで引き返す。北18条通との交点で右折してすぐの位置で撮影。ここでもオンマウスで道道表示。
     第1部はここまで。第2部に続く。

    感想
     終点交差点(R5との交差点)にいわゆる「そとば」があったのは実は予想外だったのだが(標識など全くないだろうと思っていた)、終点に「そとば」があるくらいなら少しは道道をトレースしやすくなっているのだろうかと思ったが、その期待は間違いだったようだ。

     後々もそういう感じなのでここで書いてしまうと、実際、この道道は地図無しでは実態が掴めない(恐らく地図無しでトレースせよと言われてトレース出来る人は皆無かと)ため、探索者にとっては不安な撮影を強いられる市街路である。しかも北18条では颯爽と道を間違えたしorz
     第2部以降も波乱の予感がしてきた・・・でしょう?

    関連するページ
    北海道道273号花畔札幌線、第2部 [北18東18〜札幌市東区丘珠町]
     住宅街を抜け、札幌新道を横断。丘珠空港を見渡す平地へ。

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    最終更新日:08年2月14日