北海道広しと言えど、その主要地方道の数はわずか(?)151本。
 その中に未舗装持ちの楽しい道路は未だにちらほらあるのだが、未開通区間持ちだったり、万年通行止めだったりと、楽してトレースしたい私のような人間には少し相性の悪い路線が多かった。

 ここ豊浦ニセコ線は主要地方道にして未舗装持ちだが、冬季以外は基本的にトレース可能な貴重な主要道道である。
 さぁ走るぞ!
Information
路線: 北海道道32号 豊浦ニセコ線
起点:虻田郡豊浦町大岸(R37/r608交点)
終点:虻田群ニセコ町西富(R5交点)
延長:30,616m(総延長)
沿線:道央道豊浦IC JR昆布駅 他
走行:全線(起点→終点) 2016年8月6日撮影
Index

 北海道道32号豊浦ニセコ線 第1部 [起点(R37/r608交点)→ 道央道との交差]
 噴火湾沿いの主要ルートR37を外れ、r32へ。
 FMラジオで流れていたリオオリンピック開会式の中継はいきなり聴こえなくなる。

 北海道道32号豊浦ニセコ線 第2部 [未舗装区間前半]
 道央道の交差を過ぎると道路は未舗装となり深い緑の夏山へ。
 運転担当の険道力が試される!

 北海道道32号豊浦ニセコ線 第3部 [未舗装区間後半]
 山を越えた新富側は牧歌的風景が広がる穴場。
 未舗装路から徐々に道が広くなるのも良い。

 北海道道32号豊浦ニセコ線 第4部 [舗装区間→ 豊浦町-蘭越町境]
 r914との交点からはごく普通の2車線路となる。

 北海道道32号豊浦ニセコ線 第5部 [豊浦町-蘭越町境→ 終点(R5交点)]
 昆布川に沿って北上を続ける。
 終点のちょっと手前でニセコ町に入った後、町域の端っこでR5にぶつかりトレースは完了する。

Report 1/5
 300m先
 左折:r608 大岸駅
 直進:R37/R230 函館 長万部
 右折:r32

 国道37号を長万部方向へ。道央道豊浦インターを通過してちょっとするとr32起点の案内標識。

 道道32号起点

 左折:r608 大岸駅
 直進:R37/R230 函館 長万部
 右折:r32

 ところでお分かりだろうか。
 r32側だけ、方面の案内が書かれていない

 これはテンション上がりますよね!楽しい道が待ってますよ!
 交通量の少ない交差点をレッツ右折。
 右折したからといっていきなり香ばしい光景が待ち受けるわけではないが、不穏な標識群が遠くに見える。
 その前にr32の縦型道道標識が現れる。

 標識内の六角形が一般的な仕様とちょっと変わっている。縁が二重になり、「道道」と「北海道」の表記が中に小さく書かれている。
 この先6.2km
 砂利道・幅員狭小区間6kmあり

 この先大型車 旋回不可

 そして早速現れる。この不穏な標識群!!!

 お分かりだろう。先程の案内標識で「ニセコ」表記が無かったのはr32がこういう険しい道であるためである。
 走行注意
 6.2km先
 幅員減少
 未改良道路

 この先の険しさを歯切れよく教えてくれるありがたい標識。良い標語になりそう。
  道 路 情 報 
 豊浦ニセコ線
 この先6.8km区間
 通 行 注 意
   落 石  

 これもこの道路の危なさを感じさせる標識だが、未改良区間の予告とは少し性格が違う。この先6.8km区間と言うが、落石しそうな部分はまだまだ先だと思うのですが。
 津波浸水予想地域 ここまで

 大岸エリアのR37ってだいぶ内陸を走っていたと思うのだが、まさかこんな場所でも標高の低い浸水予想地域だったとは。
 のどかな農村風景を走る。
 ここで突然通学路標識が現れるが、付近にそれっぽい学校跡はない。

 と思っていたが、航空写真で見ると右側手前の民家と奥の公民館との間に細い砂利道が通っており、その突き当たりに小学校跡らしき校舎が見つかった。ネット上の情報によると、大岸小学校鉱山分校という分校らしく、分校として1952年開校、226人の卒業生を輩出しつい最近2007年に閉校した。
 この先5.0km砂利道 幅員狭小区間あり
 6km区間

 ピンぼけ写真だが左手にある標識には上記のように書かれている。「6km区間」という謎の付け足しのせいで「この先5.0km砂利道」が5km先の砂利道を示すのか砂利道区間が5kmあるのかよくわからない。
 ちなみに、実際には先程の標識から5km先に長さ6kmの砂利道区間がある。

 意味の捉えにくい標識だったが、「5.0km先砂利道」とすれば解決するのだ。
 r32にはキロポストが設置されている。このキロポストは後にありがたい存在となる。
 まだ無人地帯ではないが、徐々に周囲が荒れ地になってきた気がする。
 先程からずっと見えていた三角形の斜面、だんだん近づいてくる。

 山間部が近づき、そろそろ民家も絶えてきそうだ。
 ここでゲート出現。

 お察しの通りr32は冬期通行止め区間が存在する。未舗装区間はもうちょっと先だが、この位置にゲートがあるということは反対側のゲートまでずっと無人地帯ということである。
 山間部らしい風景だが、実は道路右側すぐそばに道央自動車道が通っている。第1部の終わりまでずっと並走しているが、その姿を直接拝める場所は限られる。
 右側に見える壁はNEXCO管理と北海道管理の敷地を隔てているのだろうか、本線も標識も走行車両も見えない微妙な距離感が続く。
 この区間の道央道は豊浦から黒松内までのヤクモノの少ない区間である。走っている分には爽快なのだが。
 しばらく走り続けると突如として現れる。道央道の橋梁!!!
 そしてその足元には何やら色々書かれた標識群。香ばしいぞ!!!

  頭上を行く北海道の幹線道路、道央自動車道に対し、地を這う道道はここから険しい区間となる。運命の違いのようなものを感じるが、それがいい。
 走 行 注 意
 この先6km砂利道
 幅員狭小区間あり

 標識類をズームしてみた。重ね重ね現れる注意喚起標識に加え、背後に見える古臭い「道路情報」がより一層危ない香りを漂わせる。

 さぁ行くぞ、未舗装区間
 さぁ走るぞ、険道を!
Impressions
 もしかすると本格的な未舗装区間持ちの道道をレポートするのは初めてかも知れない。

 r32豊浦ニセコ線。区間1はお分かりの通り、序章です。

 この先の楽しい楽しい未舗装区間、どれだけ楽しく紹介できるかあまり自信はありませんが、
 是非続きを読んでいただければ幸いでございます。  

Links
 北海道道32号豊浦ニセコ線 第2部 [未舗装区間前半]
 道央道の交差を過ぎると道路は未舗装となり深い緑の夏山へ。
 運転担当の険道力が試される!


都道府県道レポート一覧へ戻る
蒼の街道トップページへ戻る


最終更新日:16年12月06日