北海道道444号稚咲内豊富停車場線 第1部 [起点→サロベツ原生花園]
オロロンラインことr106稚内天塩線のすぐそば、稚咲内漁港から豊富町市街地へ向け原野を走る。
北海道道444号稚咲内豊富停車場線 第2部 [サロベツ原生花園→単独区間終点(R40交点)]
サロベツ原生花園からは酪農地帯を走りぬけ、豊富町の市街地へ。
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路線: | 北海道道444号稚咲内豊富停車場線 |
| 起点: | 天塩郡豊富町字稚咲内(稚咲内漁港付近) | |
| 終点: | 天塩郡豊富町字豊富停車場通(JR豊富駅前) | |
| 延長: | 14,216m(総延長)/ 13,266m(実延長) | |
| 沿線: | 稚咲内漁港、サロベツ原生花園、JR豊富駅 他 | |
| 走行: | 全線(起点→終点) 2025年9月14日撮影 |
北海道道444号稚咲内豊富停車場線 第1部 [起点→サロベツ原生花園]
オロロンラインことr106稚内天塩線のすぐそば、稚咲内漁港から豊富町市街地へ向け原野を走る。
北海道道444号稚咲内豊富停車場線 第2部 [サロベツ原生花園→単独区間終点(R40交点)]
サロベツ原生花園からは酪農地帯を走りぬけ、豊富町の市街地へ。

直進:r106 稚内
右折:r444 豊富 サロベツ原野
r106稚内天塩線を北へ。オロロンラインの愛称でも知られる日本海沿いの道道を、天塩から25kmほど走るとここ稚咲内にたどり着く。

Wikipedia等ではこの交差点をr444起点として記載されており、実際普通に道路を走るとこの交差点が起点のようにも思われるのだが、実はこの交差点はr444の途中にある道道交点である。

r106交点を左へ曲がり海の方に向かうと、すぐに稚咲内漁港の前に着く。ここからUターンする形で、r444トレースをはじめよう。

港湾敷地を出てほんの少し走ったところで唐突に起点標識が現れる。そう、r444の起点はr106交点ではなく、そこから少しだけ港に入った場所にあるのだ。
認定年度と過去の航空写真から、この様になった経緯が推察できる。まずr444が1962年の認定に対し、106稚内天塩線(旧番号909)の認定は1976年のことである。

r106交点。r444側に案内標識は置かれていない。交差点は少し標高が高く、津波浸水予想範囲の外側となる。
もともと稚咲内港は1970年代までは港湾整備が行われておらず、砂浜にある「船揚場」のような形をしていた。1962年に船揚場の手前を起点とする一本道がr444として認定された。r106は1969年に開発道路に指定され、稚咲内付近が開通したのは1970年代以降のことである。つまり、もともとr444は稚咲内から出る盲腸線道道で、後から少し内陸側にr106が開通し現在の形になったというわけである。

内陸に入ってすぐに、道道標識が出迎える。

豊富温泉 19km
豊富市街 13km
サロベツ湿原センターまで7km。稚咲内と豊富市街の中間地点にある。

道路脇は原野に見えるが笹薮の向こうに牧草地が広がっている。画面奥に見える森は砂丘で、その手前までは元々砂地であり、牧草地として利用されている。

緩やかな上り坂で砂丘を登る。砂丘と言っても実際は森林に覆われているのだが…。

砂丘上には稚咲内の小さな集落があり、家々が点在していることがわかる。
集落にはかつて稚咲内小学校が存在したが、2010年3月を以て閉校した。

集落の出口には除雪案内の標識が立つ。
この標識がきちんと運用されているのを見たことはあまりないが、集落間の区間が通行可能かを知らせるために置かれているケースが多い。
今でこそ他の迂回路もあるが、稚咲内集落から豊富に向かう道はr444これ1本である。この先の区間が除雪されていないということは、稚咲内から他の地域に出られない、いわば陸の孤島となることを意味する。

集落を通過すると50km/h規制となる。

海岸の砂丘は横列砂丘といって海岸線に並行に複数の砂丘が並んだ後、より内陸側には縦列砂丘という風向きに依存した(このあたりではやや北東向き)小さな砂丘が分布する。この森はそうした砂丘が並んだ場所で、ところどころに砂丘間湿地と呼ばれる湿地や沼が点在する。
参考:
日本の地形千景プラス 北海道:サロベツ原野(湿原)
地質情報ポータルサイト

森に覆われた砂丘を抜けると右側に広大な低地が見える。これがサロベツ原野と呼ばれる低地帯で、元は広大な湿地が広がっていたとされるるが、このあたりでは牧草地として利用されているほか、泥炭の採掘や気候変動を通して乾燥化が進みつつある。

r444は地図で見ても直線的な路線なのだが、このあたりでは緩やかなカーブを繰り返す。


まだ稚咲内から3kmしか走っていない。

サロベツ原生花園 サロベツ湿原センター あと3.5km

左折:r763 兜沼オートキャンプ場
直進:r444 豊富市街 サロベツ原野

ここでr763兜沼豊徳線が分岐する・・・はずなのだが、この先の橋が架替工事で仮道に迂回する必要があるため、まずは左折する。

一旦r763兜沼豊徳線に入る。
兜沼豊徳線はサロベツ原野の西側を南北に走った後、内陸に進んで兜沼に至る道道で、沿線は広大な牧草地が広がっている。

r763に入ってすぐに右折すると仮橋を通ってサロベツ川を渡る。
サロベツ川は豊富町/猿払村境界の幌尻山付近を源流とし、豊富町北部へ西へ流れたあと南に向きを変え、サロベツ原野を縦断して天塩川へ注ぐ全長85kmの河川である。釧路湿原などとは異なり湿原の外周を流れていることが特徴的な川である。

サロベツ川を渡り、元のr444に合流する。

ここからはサロベツ原野を東西に貫く直線区間となる。

4KP。ここまでは「矢羽根」がある。

少し走ると「矢羽根」は無くなる。遠くに見える丘陵地帯と、左右に広がる広大な原野/湿原、そして地面に張り付く真っ直ぐな道。
これぞサロベツ原野の、そしてr444の最も印象的な風景だ。

道路の北側を望む。湿原の向こうには牧草地が続き、その向こうは稚内方面へ連なる丘陵のシルエットが見える。
利尻富士の島影も見ることができるが、進行方向に対して逆向きなので今回は撮影できていない。

サロベツ原野をまだまだ走り抜ける。

途中にはバス停のようなスペースがあるが、撮影当時は利用されている様子はなかった。
Googlemapでみると、ここには旧サロベツ原生花園というスポットがある。2010年までここに豊富ビジターセンターが建っていたためであり。湿原の上に盛土をして建てられたことから地盤沈下が課題となり、地下水への影響も懸念されたことから現在の場所に移転した。跡地は更地となり自然再生事業のもと植生回復が進められている。

少し走ると湿原を抜け、矢羽根が復活する。サロベツ湿原センターは、前方の森に入ってた先に入口がある。

サロベツ原野を通り抜ける途中で、サロベツ湿原センターへの入口が分岐する。詳しくは第2部で紹介するが国立公園のビジターセンターのような建物で、その裏手には湿原を観察できる木道が整備されている。
続きは第2部へ。
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