神奈川県唯一の村、清川村に入った我々は、r70秦野清川線完走を目指して狭隘路をひたすら進む。
 第4部、裏ヤビツは、狭いぞ。
Index

 神奈川県道70号秦野清川線 第1部 [起点(R246/r704交点)→ 菜の花台園地展望台]
 秦野市郊外を走るR246から分岐し、すぐに北へ。
 郊外に点々と広がる住宅地を縫うように走り、丹沢山系をひたすら登る。

 神奈川県道70号秦野清川線 第2部 [菜の花台園地展望台 → ヤビツ峠]
 登り区間その2。
 数多のチャリダー、いやヒルクライマーとの離合を重ね、丹沢登山への入口、ヤビツ峠へ。

 神奈川県道70号秦野清川線 第3部 [ヤビツ峠→ 秦野市/清川村境]
 ヤビツ峠の北側は、更に険しい道が待っていた。
 交通量は明らかにキャパオーバー、首都圏にあるだけでどんな名所も混むのである。

 神奈川県道70号秦野清川線 第4部 [秦野市/清川村境→ 宮ヶ瀬湖北原(r64交点)]
 ヤビツ峠北側は険しくも高低差はそこまでない。
 宮ヶ瀬湖まで至るとそこからは快適区間、そのまま一気に走り抜けてしまおう。

Report 4/4
 清川村

 ヤビツ峠北側を半分弱下ってきたところで、神奈川県唯一の村にして人口最少の自治体、清川村に突入する。
 村に入ってもなお1.5車線区間と2車線区間が繰り返される。
 18.0kmポスト。r70にはキロポストがある。写真では18km以降ここから先のものがポツポツ撮影されているが、この地点より秦野側に存在しているかどうかは定かではない。

 もしかしたらr70清川村内限定ということもあり得る。
 国民宿舎 丹沢ホーム

 ・・・は左折。県道は右へ曲がる。全室和室15室の小さな国民宿舎は、こんな深い森の中にある。
 国民宿舎分岐を後にしたところで、いよいよ裏ヤビツが本気を出す

 ガードレールこそ設置されているものの、完全に藪に覆われた急斜面に1.5車線も無い舗装路がへばりつく。路側の白線が引かれていない分、轍の跡がくっきりとわかる。
 18.5kmポスト。林道らしき分岐があるが、県道は道なり右。
 そして道路はより深い木々に覆われるようになる。このカーブも見通しは悪いと思うが、カーブミラーは無く、せいぜい30km/hかそこらでの巡航を余儀なくされる。
 今度は右へ道が分岐するが、県道は道なり左。
 次のカーブの先にワゴン車が溜まっている。

 あのカーブの先で、二輪車が単独で転倒する事故を起こしていた。急カーブで無理な走行をしたのか何なのか、理由は判然としないが、この狭い道で路外逸脱しなかった&他車と衝突していなかったのは不幸中の幸いである。

 この事故関連か、我々は後にトラックとのきつい離合を強いられる。
 この辺りの森林は薄暗い天然林で、梅雨明け間近な7月中旬でも非常に涼しい。
 またカーブの先に路上停車している車がいる。ここまで対向車はあまり無かったが、路上に駐車している車がポツポツいるので気が抜けない。
 そんな我々もハザードを出した上で&運転担当に残ってもらった上で車を停めて道路の様子を撮影してみる。沢にかかる吉田橋は2車線弱の幅がある。
 時折林道が分岐するが、正直チェックしている余裕はあまりなかった。
 大河トンネル

 ここでr70初めてのトンネル。壁面のポップな落書きが印象的だが、トンネル自体は比較的当新しく快適な幅員もあったので、これと言った難所ではなかった。
 トンネルを抜けると防護柵のちゃんとした崖。
 と、カーブを曲がったところで救急車とすれ違う。カメラは助手席側から正面を撮っているが、正直言って対向車との隙間は30cmも無く、本当にギリギリである。

 おそらく、前述のバイク事故の怪我人搬送だろう。休日の裏ヤビツ、狭い道で何回も離合を繰り返しながらの出動で救急車の到着時間も長引いたことだろう。

 険道ドライブは楽しいが、安全運転で行かねばならないと認識する出来事であった。
 その後、2本めのトンネルをくぐる。

 余談だが、この救急車以外にも後退しようのない離合が何度かあった。一番酷いところでは、ミラーを畳んで崖際ギリギリ、対向車接触スレスレで離合した場所もある。
 トンネルを抜けた後は、小さな待避所とサビサビのコンクリート壁が現れる。対向車が見えたら大人しく待つこと。
 裏ヤビツは賑やかである。今度はツーリング御一行と離合する。

 普通に見れば衝突しかねないアングルだが、これもギリギリで離合している。四輪対二輪でこんな感覚なのだから、四輪対四輪でどうなるかは想像に難くない。
 時折現れる林道への分岐。画面奥で右に急カーブするが、その際塩水橋という橋を渡る。

 しかしその多くは通行止である。どこに繋がっているのだろう・・・?
 谷には7月の日差しが差し込むが、斜面際の県道は薄暗い。
 薄暗い道を抜けると、青宇治橋という橋を渡る。

 なんと、この橋は延長20mにも関わらずWikipediaの項目がある。それによると、高畑山という標高766mの山に至る登山道がここから伸びているとのこと。
 今度は板張りの崖となる。

 ちなみにここまでの道路についてであるが、第3部で触れた「護摩屋敷の水」付近からずっと中津川あるいはその支流と平行するように走っている。先程バイクとすれ違ったあたりから中津川を逸れ、支流の塩水川を渡るように迂回しているようである。
 川沿いに走って中津川沿いに戻ってきたところで、道幅が広くなる。

 この場所では、右側に金沢キャンプ場というキャンプ場が平成27年度まで存在した。地理院地図にキャンプ場の名前は記載されているが、Googlemapでは表記は残っていない。村立キャンプ場だったようだが、廃止の経緯はわからなかった。
 県道標識の立つ良さげな風景。
 金沢キャンプ場跡地から少し走ったところで、今度は唐沢キャンプ場という私設のキャンプ場の脇を通る。

 このキャンプ場は中津川沿いまで車でアクセスし、デイキャンプやバーベキューを楽しめるとか。
 唐沢キャンプ場を通過し、また道幅は狭くなる。
 再び杉林の中を突っ走る。

 この周辺で、国際一の瀬キャンプ場、長者屋敷キャンプ場という2つのキャンプ場が沿線に存在する。
 長者屋敷キャンプ場を通過すると道路は2車線になる。

 これにて、裏ヤビツの難所は終わった

 といっても、実はこの地点から終点までは3km程度しかない。狭隘区間は想像以上に長かった・・・。
 行楽地らしい「追越し禁止」のハイスペック2車線路が続く。
 このあたりからは中津川は宮ヶ瀬ダムにせき止められた宮ヶ瀬湖となる。橋の上からダム湖の湖面を拝むことも出来るようになってくる。
 ひときわ目立つ赤い橋。

 この橋の手前には宮ヶ瀬霊園という墓地がある。中々凄い立地にある気がするぞ・・・
 ここで最後のトンネル。吹風トンネルというトンネルで、ダム湖に落ち込む急な尾根をくぐり抜ける。

 トンネルの北側には吹風広場駐車場という駐車場がある。
 トンネル内部は撮影当時、ナトリウム灯がまばらに点いたちょっと薄暗いトンネルだった。
 トンネルを抜けると橋梁と切り通しで、典型的なダム湖脇の改良道路である。

 この付近に、山の神広場駐車場という駐車場があるらしい。
 左折:r64 相模湖 津久井
 右折:r64 厚木 伊勢原

 そんな快走区間をすっ飛ばしていると、r70の終わりは思いの外あっけなく現れる。r64伊勢原津久井線との交点である。
 県道70号終点

 宮ヶ瀬湖西岸にある宮ヶ瀬北原交差点にて、r64にぶつかりr70は終点となる。

 これにてr70完走!ヤビツ峠完全攻略である。お疲れ様でした。
Impressions
 走った感想から述べると、第4部区間がr70でも最も険しかった

 とは言っても、道路自体は最難関というほど険しくない。
 殆どの場所で1.5車線以上は確保されているし、プレッシャーを与えるような脆い路肩もない。

 のだが、他の険道と決定的に違うのは、交通量の多さである。
 第2部でも述べたハイカー、ヒルクライマー、ライダー、そしてサンデードライバーの皆様方が列になって押し寄せる。事故でも起きようものなら、救急車や救助に向かうトラックもこの道へ入らざるをえない。

 正に離合できる限界を感じた場所もしばしばあった。レンタカーをこすったりすると、後処理が面倒くさい。とにかくドキドキしながら通過していた記憶がある。

 そんな首都圏険道のr70秦野清川線、この道路を難なく通れれば舗装されている「険道」にだいぶ慣れてきたといえるのではないだろうか。また、道路から外れて中津川の渓流や、丹沢の山々など自然も魅力的である。程々の距離である程度本格的な自然派休日を過ごしたい皆様にはこの場所は悪くない。ただしヒル対策必須です。

 最後に、アタックされる皆様は、どうぞ安全運転で!  

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 神奈川県道70号秦野清川線 第3部 [ヤビツ峠→ 秦野市/清川村境]
 ヤビツ峠の北側は、更に険しい道が待っていた。
 交通量は明らかにキャパオーバー、首都圏にあるだけでどんな名所も混むのである。


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最終更新日:17年11月13日