北海道道106号稚内天塩線。レポートもいよいよ第5部。
 ここからは日本最北の市、稚内市を走る。

Index

 北海道道106号稚内天塩線 第1部 [終点(R232交点)→ 天塩河口大橋]
 稚内まで67kmのセイコーマートで補給後、道道を北へ。
 第1部から既に人のいる雰囲気は無くなるが、これはまだまだ序章。

 北海道道106号稚内天塩線 第2部 [天塩河口大橋→ 北緯45度]
 駐車公園からオトンルイ風力発電所、海沿いの原野を眺め、道中にある北緯45度通過点まで。
 北半球の北半分へ足を踏み入れる!

 北海道道106号稚内天塩線 第3部 [北緯45度→ 豊富町稚咲内(r444交点)]
 スノーシェルターを見て冬の厳しさに思いを馳せつつ、とにかく北へ進む。

 北海道道106号稚内天塩線 第4部 [豊富町稚咲内→ 豊富町-稚内市境]
 サロベツ原野の散策を終え、再び北上。
 道道レポート史上最も「何も無い」区間が待ち受ける!これが、r106だ。

 北海道道106号稚内天塩線 第5部 [豊富町-稚内市境→ 稚内市抜海村クトネベツ(r510交点)]
 「何も無い」区間はほんの少し変化を増し、やがて久々の集落へ。

 北海道道106号稚内天塩線 第6部 [稚内市抜海村クトネベツ(r510交点)→ 稚内市緑1丁目付近]
 日本海と原野に別れを告げ、いざ最北の街へ。

 北海道道106号稚内天塩線 第7部 [稚内市緑1丁目付近→ 起点(R40/R232交点)]
 r106最終部では、日本最北の街、稚内市街を走る。
 日本最北の駅前にて日本最北の2桁国道の終点と共に道道の旅は終わりとなる。

Report 5/7
 稚内市

 日本最北の市である稚内市に突入する。
 
 カントリーサインのデザインは背景が利尻富士、手前の花はハマナス。ここまでは幌延町のそれと同じモチーフ。緑色で描かれたオブジェクトは稚内公園の「氷雪の門」で、樺太で亡くなった日本人の為の慰霊碑である。
 いつもの動物注意の標識。

 氷雪の門についての解説はWikipediaに詳しい。宗谷岬の「日本最北の地の碑」ではなく氷雪の門をデザインに選んだ理由が気になる。

 なお、稚内公園は稚内市そして樺太方面を一望できる高台にある市営公園で、墓地が隣接するだけでなく、南極観測樺太犬記念碑・慰霊碑や樺太師範学校教学の碑などといった様々な碑があり、樺太の見える地としての歴史とその重みを感じさせる場所のようだ。
 稚内市に入ると道路から見える地形に起伏が加わるようになる。前方の丘陵のような場所も、いずれ走り抜ける。
 地形にあわせて道路も若干曲がりくねる。
 この地形は海岸砂丘なのかなぁ。
 筆者自身としては適度に起伏のある一直線路の方が好きな景色だったりする。
 29KPがある。天塩から39km、稚咲内から12km。
 起伏を無視するような一直線。やっぱり天気が惜しい。
 途中、この道道には珍しく海岸線のすぐ近くを通る部分がある。
 左側を見渡すと、そこには穏やかな日本海と下半分だけの利尻島の島影が間近に見えた。
 緩やかな起伏の向こうに標識らしきものが見える。
 夕来地区はここで右折。牧場が数軒あるのみの地区だが、実際この道路をひたすら走ってると人が住んでるだけで十分と思ってしまうのは私だけではないかもしれない。農道を通り抜けて兜沼のあたりに抜けることもできるが、この先分岐する道道を経由するより遠回りである。
 丘を上るチャリダーと距離標識が遠くに見える。

 この写真の撮影地点のちょっと手前側は路側が広くなっており、利尻島を眺めながら車を停めて休むことが出来る。海岸へも砂利道が有り一応アクセス可能なので、天気の良い日は休憩してもいいかもしれない。余談だが、写真に写っているチャリダーの方は後に野寒布岬で遭遇した。随分な距離を走っているものである。
 稚内 26km
 抜海 11km

 「地吹雪多発区間 走行注意」
 高台から下るので眺めが良い。道路はこの先、海岸線に沿って緩やかなカーブを繰り返す。
 牧草ロールが視界に点在している。だいぶ前から周囲は牧草地だったが、いざロールが置かれていると人の手が入っていることがわかって安心する。
 
 25KP。
 24KP。
 
 またまたr106の道道標識。

 距離が長い割に他の標識が少ないせいか、r106は随分道道標識が充実した路線に感じる。
 この立派な側溝は水没対策?
 勇知川を渡る。最下流部はこのように人の手があんまり入っていない湿地河川のような状態で、どうやらアメマスが釣れるらしい。
 展望休憩所 こうほねの家 1km

 おお、トイレ付きの休憩所が久々にあるのはありがたい。
 300m先
 直進:r106 稚内市街 抜海
 右折:r811 兜沼

 
 直進:r106 稚内市街 抜海
 右折:r811 兜沼 勇知駅

 r811勇知上勇知線との交点。ここで右折するとJR宗谷本線勇知駅の方面へ、更に進むと兜沼の方へ向かう。
 展望休憩施設 こうほねの家

 どうやら稚内市管理の休憩施設らしい。トイレと自販機があり、建物の屋上に上がって日本海を眺めることが出来るようだ。しかしなぜ牛乳運搬車がここに。
 稚内市街 23km
 抜海 6km

 抜海の町はもうちょっと。
 前方を見渡すと日本海に丘陵が突き出ている様子が見える。手前の岬が抜海港で、更にその奥にうっすらと見えるのは野寒布岬方面の半島である。
 
 17KP。右側に丘陵と沼がある。冬の気候が厳しいのか高木が生えておらず、どことなく荒涼とした風景だ。。
 何やら大胆に工事?をしている場所が。シートで覆われている部分は何なのだろう。
 この先400m 稚内方面右折
 交差点一時停止

 抜海地区でr106は90度直角に折れ曲がる。天塩からぶっ通しで走ってきた人は約50kmぶりにウインカーを操作することになる。

 右側に大きな岩があるのが見えるが、この陰にある洞窟には抜海岩陰遺跡という遺跡がある。岩が重なったこの様子は抜海(バッカイ・ペ:子を背負うもの)の地名の由来にもなっている。
 交差点も無いのに謎の観光地案内標識が左側に。
 左折:r254 抜海港
 右折:r106 稚内

 久々の市街に入ったところで、r106は90度右に曲がる。一時停止を要する地点は信号のあった稚咲内以来か。
 稚内 16km

 久々に住宅が並ぶ市街地っぽい場所を走る。ここ抜海は抜海港という漁港を抱える小さな漁村である。抜海駅は辺境風情漂う駅として名高いが、集落からはやや離れている。
 津波浸水予想地域 ここまで

 この標識はここまでのr106においても幾度か現れた。標高や海岸からの距離を考慮して作成された予想地域の入口と出口に設置しているのだと思われるが、見ての通りこの道路は見事に平坦なので、こんな場所で唐突に区切る意味がわからない、という標識がすごく多い。

 あと、この標識は道道にしか設置されていないため、例えば港線道道では起終点と同時に設置されている場所もあったりする。ちょっとね・・・
 100%着用推進運動中

 何の着用推進かと思ったらシートベルトであった。現在、運転席と助手席のシートベルト着用率はそれぞれ98.2%と93.9%(JAF,2014)。この標識は運転席のシートベルト着用を推進するものであるから、もう殆ど役目は終えたようなものである。それよりも後部座席のをだね。
 抜海のあたりで唐突に天気が良くなった。

 余談だが、ここで右奥に写っているおじさんを警察官と間違えて減速したドライバーも多そう。
 300m先
 直進:r106 稚内市街
 右折:r510 兜沼

 r510抜海兜沼停車場線をの交差点の案内標識。
 直進:r106 稚内市街
 右折:r510 兜沼 抜海駅

 r510交点。JR抜海駅はここで右折してすぐの場所にある。r510は抜海からJR宗谷本線と並行して南下、途中勇知駅のすぐ近くを経由して兜沼駅前にて終点となる。というわけで、勇知駅も右折。補助標識で案内されている。

 第5部はここまで。
Impressions
 第5部区間を走った感想としては、天塩から北上してきた身としては何も無い区間がかなり長く続いていたため割と退屈していた、というのが本音だったりする。

 とはいえ、第4部区間から稚内市境を跨いだ途端道路は海岸砂丘らしき微丘陵を抜けるようになり、道路の周りに何も無いながらも景色に変化が出てくる。それまでとは趣向の違う「何も無さ」が出迎えてくれる。

 抜海に入ってからは普通の海沿い道道という印象は拭えないが、これも天塩から北上してきた身としてはやっと稚内だ!という安心感と期待感を感じるのではないだろうか。

 第6部と第7部は稚内市街を通る区間である。まだまだ続くので最後までお付き合いいただければ幸いである。

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 北海道道106号稚内天塩線 第4部 [豊富町稚咲内→ 豊富町-稚内市境]
 サロベツ原野の散策を終え、再び北上。
 道道レポート史上最も「何も無い」区間が待ち受ける!これが、r106だ。

 北海道道106号稚内天塩線 第6部 [稚内市抜海村クトネベツ(r510交点)→ 稚内市緑1丁目付近]
 日本海と原野に別れを告げ、いざ最北の街へ。


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最終更新日:16年2月3日